事実の力

わたしの経験があなたにも当てはまるなら

出所と気づき

あの日の体験で知ったこと

それはあるものに囚われて生きて来たこと

体験以前に意識をしたことがない

言葉で聞いたことがある程度

それは自我

あの体験を通して、わたしはそれを初めて知った

 

わたしは思い通りにしたい

コントロールしたい

分析する、思案する、計画する、予測する

それでも、現実はそうはいかない

体がどうなっているのか、世界がどうなっているのか

分からない、コントロールできない

わたしは焦る、やたらと怒る、苛立つ

わたしはやたらと悲しむ

それでも何とかなっている

ことは過ぎ去っている

わたしはそのことに気づけない

わたしは自分で生きていて、コントロールしていて

生かされているとは思えない

 

わたしは比較する

比較の中で自分の立ち位置を知る

比較を通して、自分の価値を知る

わたしは優秀であろうとする、誰かよりも

わたしは金や物、肩書きを持とうとする、誰かよりも

わたしは嫉妬する、卑下する

見下す、優越感に浸る

比較の中で苦しむ

 

わたしはむやみに心配する、恐れる、不安に駆られる

まだ起きていないことに

わたしは後悔する、もう終わったことに囚われる

今にしか生きられないわたしが、過去と未来に生きている

ここにしかいられないわたしが、ここではないどこかを向いている

体は今ここにあって、意識は他を向いている

ありのままの自分ではなく、「誰かよりも」を生きようとする

誰にもなれない、わたしでしかいられないわたしが

今にしかいられないわたしが、今のわたしを認めない

今のわたしはダメで、ここにはいないどこかのわたしを見ている

存在しないわたしを見ている

「改善、足りない、もっともっと、今よりも」はその現れ

「人間も進化する生き物、上昇志向があるのは当たり前」

「より良く生きるのが人として当然ではないか」

こういう大義に隠れて、不自然さが見えない

 

四六時中、流れる考え

今起きていないことが現れては消えて行く

ここにいない相手と格闘する

頭の中の物語

あの人はああに違いない

事実を知らないわたしが決めつける

思い込み

あれは高尚な生き方で、これは低俗な生き方

人はこうあるべき、こうしなければならない

時代や場所によって変わる、相対的な価値を絶対化する

固定観念

 

出所は同じ

それが自我

自分と他人を区別する、自己認識だけの機能を越えたもの

自我は事実に基づけない

幻を事実のように見せる

今を基準にできない

自然界に生きていながら、自然のそのものでありながら

わたしの意識を自然界から切り離してしまう

「自然はいいね、自然は素晴らしい」と言うのはその現れ

命そのものでありながら、わたしの意識を命から切り離してしまう

「わたしの命」と言うのはその現れ

宇宙に生きていながら、わたしの意識を宇宙から切り離してしまう

わたしは宇宙の話に馴染みがない、どこか遠くの話で普通の話とは思えない

 

自我はわたしにヴェールをかけている

わたしには事実が見えない、この世界の不思議が見えない

奇跡が見えない

わたしの本心と世界との繋がりを、意識の上で遮断している

切り離せないものから切り離している

「自分」という文字がそれを表している

自らを切り離せないものから分けている

だから、わたしは繋がっていながら、孤独感を覚えている

 

自我の影響は計り知れない

それでも、救いがないとは思えない

気づきの力がそれを教えてくれる

ただ、それに気づく時

もう気づけなかった過去には戻れない

わたしは気づいた所から、ゆっくりと自然に成長して行く