事実の力 実在する力

わたしの体験があなたにも当てはまるなら

傍観者

空気が澄んでいる

あれはすじ雲というのだろうか

青空は高く、いつもより鮮明に感じられる

上空は風が強いのだろう

雲は速く、形を変え行く

わたしは見上げているうちに

衛星写真を見ているような

宇宙から地球を見ている気持ちになった

 

あの日の体験で変わったこと

静かになったこと

望めば、耳から聞こえる音しかしない

静かな所に行けば

「シーン」と微かな音がしている

それまではどうだったのだろう

 

浮かんでは消える

絶え間なく現れる

他人のこと、終わったこと

どうでもいいこと、まだ見ぬこと

突飛なこと、わたしのこと

深遠なこと、如何わしいこと

脈絡がなく、ランダムにやって来る

空想、夢、幻想、物語

声のない独り言

流れる考え事

わたしはその中にいる

 

まるで物語の主人公

登場人物を評価する

批判する、否定する

相手を下げる、自分を上げる

執拗に繰り返す

わたしは食傷気味でウンザリしている

それでも、止めない

完全な惰性

わたしは人生で優先することを後回しにしている

わたしは堕落して行く

声のない独り言

流れる考え事

わたしは囚われている

 

あの体験でこうも変わるのか

自我が薄くなるとはこういうことなのか

それまで抱いていたエゴという言葉のイメージ

それとはかなり違う

自我は人生の至る所に影響を及ぼしていた

わたしは今、ヴェールを脱いで

静かな世界に佇み

初めて空を見るように見ている