神様へのお供物

わたしの経験があなたにも当てはまるなら

頭でっかち

わたしの頭は大きくなった

わたしの心と体を越えてしまった

社会人として、大人の男として、大人の女として

それを生きることが、わたしのすべてになった

俺にできて、お前にできないはずがない

みんなと同じようにできなければ、おかしい

あの人にできて、わたしにできない、は許されない

足並みを揃えることは当たり前

落ちこぼれることは許されない

全体から外れることは許されない

休むことも辞めることも許されない

弱音を吐くことさえも許されない

それは当たり前のこと

社会人としての自覚、覚悟、責任において

心と体は悲鳴を上げている

もうダメだ、これ以上はまずい、と警告している

それは聞き入れられない

常識と理屈が優先されるから

心と体は置いて行かれる

わたしは社会的存在である前に、生身の動物

後付けの理屈が生身のわたしを越えてしまう

わたしは壊れてしまう

 

わたしは他人と同じだ、と思い込んでいる

同じ種族だから、同じようなものだと思い込んでいる

それは、わたしだけの思い込みを越えて、全体を取り巻いている

わたしは世界でたったのひとつ、ふたつとして同じではない

わたしは唯一無二の存在

このシンプルな事実は、蔓延する不実に負ける

 

頭、それは他の言葉に置き換えられる

思考、分析、理屈

習慣、しきたり、常識、他人からの視線

 

わたしの習慣は大きくなった

わたしの心と体を越えてしまった

わたしは、自分で作り出した時間の奴隷になった

腹の減らないわたしは、食事の時間だ、と食べ物を詰め込む

眠たくてたまらないわたしは、まだ寝る時間ではない、と起きている

今日は何曜日だから

今は何時だから

わたしは便利な道具に使われるようになった

体は求めていない

心も求めていない

後付けの習慣が生身のわたしを越えてしまう

当たり前、仕方ない、が生身のわたしを越えてしまう

わたしはおかしくなってしまう

 

わたしの頭は大きくなった

わたしの心と体を越えてしまった

心と体の声、直感を無視するまでに成長した

シンプルな事実よりも、後付けの不実を選ぶまでに成長した

 

まだ、戻れる

鈍感なわたしでも、微かに感じている

心と体の声が微かに聞こえている