事実の力

わたしの経験があなたにも当てはまるなら

相手のいない会話

いつから始めたのだろう

三歳頃から自我が芽生えると言う

ほとんど年齢と変わらないくらいだろうか

もう何十年も続けてきた

 

いつの間にか始まっている

相手のことをほとんど知らないわたしが

ひとつの不出来をわざわざ取り出して来る

批判し、否定し、見下す

そして、わたしの方が優れていると言う

あの一言が、あの表情、態度が気に入らないと言い

反撃し、相手を裁く

何度も何度も執拗に繰り返す

怒り、不満の類は握りしめて離さない

起きたこと以上に話は展開して行く

 

事実はどうだったのだろうか

相手はどういう意図だったのだろうか

あの一言も表情も態度も分からない

わたしの想像でしかない

わたしが作り上げた相手と物語

思い込みの世界

楽しいことも気持ちが晴れることもなかった

わたしは暴力を振るう、あの時の体の熱さと

血を汚すような不快感の中にいた

 

目の前にはいつも誰もいなかった

現実ではなかった

事実でもなかった

幻想に過ぎなかった