新しい人間のために

よみひとおらずのうた

ささげもの1

1御明かし 2場 3もう少しの仕上がり 4ハプニング

5キャッチ 6疑いの力 7染み 8幻覚 9鬼

10座禅  11支配者 12忘却  13シルエット 14化け物

15エイリアン 16この辺り 17ルーツ 18比較

19ナンセンス 20曇らせる 21安定 22スタンダード

23一筋の光 24ないならないなりに 25宇宙人

26暮らし 27似合わない 28そこにある

29さりげなく 30思いを越えたわたし 思い通りのワタシ

31猫町 32ガガンボ 33不器用 34アクシデント 35職人

36ひとり旅 37岐路 38豊かさ 39守銭奴 40愛らしい

47よけてくれる 42月光 43創造主 44蠅 45ゆめうつつ

46木の実 47勇敢な臆病者 48よみひとおらず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

御明かし

 

こんな時間まで仕事をしているのか?

鏡越しに君を見ていた

わたしにとっての光はきっと後にも先にも君しかいない

純真な精神のモチーフとなり、シンボルにもなってくれた

 

底がない沈黙か?そこは輪郭と時間のない闇

そこはかとない粒子の漣か?

高密度の原始的大気、天上の熔融炉、生じた光熱

1億5千万㎞の距離が、命になった

 

晴れ間が広がった、わたしの心にも

確かにわたしは歓んでいる、動物的なところが反応している

生まれて間もない頃、空き地を駆け回った頃

仕事で走り回っている時、いつもその中だった

 

底がない沈黙か?そこは輪郭と時間のない闇

そこはかとない粒子の漣か?

高密度の原始的大気、天上の熔融炉、生じた光熱

1億5千万㎞の距離が、命になった、あなたの心まで照らした

 

くまなく照らした、こんな辺鄙な我が家まで

トカゲもヤモリもカメムシも

みんなが心待ちにしていた

十分に含んだTシャツや布団の匂いに確かにわたしも歓んでいる

 

曇りでも雨でも嵐でもいつもその中だった

夜になれば鏡越しに見ていた

君はくまなく照らしている

みんなが寝ているこの時も

 

 

 

 

イメージとしては狭苦しい

進行方向は常に見えない

振り返ることはできても、二度とそこへは行けない

鼻の頭と背中にピタリと二枚の壁がある

前の壁は元々闇のように暗い訳でも

状況によって透明になったり、不透明になったりする訳でもなく

鏡のようにわたしの心を映している

後ろの壁も鏡のようで、ガラスのようで、経年と共に曇って行く

 

わたしは線状の時間を生きているようで

常に今ここの点状を生きている

進行するというよりも、踏み台昇降運動よりも退屈な

今ここというその場で足踏みをし

背景が流れて行く、という感じかもしれない

狭い狭いこの空間で生きている

今ここで変わりなく暮らしている

それでもわたしは老いて行く

 

今ここからは抜け出せない

死んだフリから一気に振り切ろうとしても

影のようにそこにある

「影が、そこに」と言うよりも

わたし自身が今ここなのかもしれない

一瞬未来ではない

一瞬過去でもない

わたしはいつも今ここを生きている

 

 

 

もう少しの仕上がり

 

地球に生まれたわたしのつとめ

今ここを生きること

過去へは行けない、未来へも行けない

ここではないどこかへも

 

いつも今ここを生きている

とても限られたこの空間がわたしの生きる場所

それでも意識がない

体しかない

 

過ぎてしまったことに囚われる

起きるかどうかも分からないことに囚われる

ああなれば変わる、ああなれば良くなる

「ああなれば」の「ああ」はわたしの頭の中

 

意識はどこかにある

今ではない過去と未来に

ここではないどこかに

今のわたしではない誰かに

 

体と意識はバラバラ

体は放置されたままで何億何千年も過ぎてしまった

それでももう少しで繋がる

ようやく今がその時、わたしはもう少しで仕上がる

 

 

 

ハプニング

 

出来事、という言葉は面白い

出て来た事で、まさにわたしの状況を表している

予測できるようでできない

目の前の不透明なのれん式カーテンの奥から現れる

それは変えられないわたしの実態

 

わたしにできることは

気楽に構えて

出て来た事を受け止める

わたしにとって必要なことは

ハプニングを愉しむことかもしれない

 

わたしはコントロールしようとする

形に、予定通りに拘る

思い通りにすることでうまく行くと思っている

わたしは実態よりも考えを優先しようとしている

実態から離れたわたしの考えを

 

「実態よりも考えの方が重要だ」とでも言うのだろうか?

何と馬鹿げているのだろう

わたしの思考は実態に合わない

わたしは現実を知らない

事実を知らない

 

 

 

キャッチ

 

来ている、それでも弾いている

受け取ってしまえば

そこから何か変わるかもしれないというのに

 

助けを退ける

頼ることは悪いことだと信じている

わたしは知らない、恵みの意味もどこから来るのかも

 

わたしの恵みは一部に過ぎない

思い通りに基づいた一部

恵みは全体から来ている、わたしの思い通りを越えて

 

恵みは来ている

何度も来ていてそこら辺に転がっている

それでも気づかない

 

やって来ても弾く

弾いておいて

「足りない」「何もいいことがない」と言う

 

わたしの恵みは一部に過ぎない

思い通りに基づいた一部

わたしは思い通りのものしか受け取れない

 

 

 

疑いの力

 

成功哲学、経営哲学、人生哲学

「哲学がない」

思想が哲学に変容したのか?

偏りを知らない

普遍的で、客観的で、論理的な

甘えや贔屓のない徹底された態度

それが哲学ではなかったのか?

 

哲学は頑なで危ない

哲学は勇ましい

哲学は良識であり、疑いの力

「哲学の時代」と社会は言う

常識や道徳や倫理までも越えてしまう哲学を

己の首に今にも噛み付こうとしている哲学を

社会は受容できるのか?

 

それでも世界は哲学を求め、良識を求める

哲学と良識

それはわたしに常識を越えた世界を見せる

理解と知覚を越えた可能性を見せる

わたし自身に疑いの目を向かせ

間違いだと知った時に崩れてしまうかもしれない

わたしの礎にさえも意識を向かせる

 

勇敢な態度は功を奏する

わたしは自我を知り、自我の罠を見つける

やがて見たことのない扉が開く

わたしは繋がりを取り戻し、新しいタイプの人間になる

哲学と良識

それは意識の進化に

わたしと世界の進化に欠かせないものになる

 

 

 

染み

 

一滴が滲むように拡がって染みのように沈着した

油断も隙もない

疲れている時、余裕のない時、すでにそこにいる

わたしはすでにそのものになろうとしている

 

どうしてこんな目に遭うのか

あいつばかりが楽をしているじゃないか

こんな理不尽は耐え難い

こんなことが許されるのか?

 

そう言えばあの時もそうだった

だいたいあいつはいつもそうだ

わたしはいつになったら楽になれるのか

もうやっていられない!

 

僅かな思考と負の感情が染みのように拡がる

わたしも、わたしの状況も見る見るうちに染めてしまう

今ここにないことで、実在しないことで

僅かな思考と負の感情で、たった一滴でわたしを支配する

 

 

 

幻覚

 

異常と正常の差は何だろう?

すべてを知らない、ましてや本心は

わたしが見ているのは部分に過ぎない

それでもわたしは部分から拡げる

わたしの解釈で拡げる

わたしは仮想した相手を実体のように見ている

 

そこにあるのは仮想した相手と物語

それでも気づかない

現実を見るように見ている

だからわたしは嫉妬し、惨めになり

焦っては自棄になる

わたしは恐れ、憎み、力に訴える

 

実体は分からない、存在の世界で起きていない

それでもわたしは見ている、現実を見るように

幻を見せる者がいる

わたしの中にいて、わたしに見せて苦しめる

わたしはまともなのか?狂っているのか?

異常と正常の差は何だろう?

 

 

 

 

予測できないことを言っても仕方がない

「ねばならない」を付けるのは相応しくなくても

予測できないことに囚われていることを

シリアスに受け止めなければならない

 

来年のことを言えば鬼が笑う

明日のことを言えば鬼が笑う

鬼とは何だろう?

わたしの中にいる者かもしれない

 

来年かもしれない

明日かもしれない

今にないものを見せる者がいる

わたしに幻を見せて太り、喜ぶ者がいる

 

来年のことを言えばカラスが笑う

明日のことを言えば天井の鼠が笑う

何が可笑しいのか、わたしを見て笑う

カラスや鼠になくてわたしにあるものは何だろう?

 

来年かもしれない

明日かもしれない

今にないものを見せる者がいる

わたしに幻を見せて太り、喜ぶ者がいる

 

 

 

座禅

 

雑念妄念がやって来る

他人からではなく、出来事からでもなく

雑念妄念はやって来る

わたしからではない

それでもわたしの中からやって来る

 

失ったあれが惜しい

ああしておけばよかった

わたしの人生は何だったのか?

ああなったらどうしよう、大変なことになる

これは敵わない

 

考えや感情がやって来る

他人からではなく、出来事からでもなく

考えや感情はやって来る

わたしからではない

それでもわたしの中からやって来る

 

イライラさせる

ジリジリさせる

そわそわさせる

くよくよさせる

鬱鬱とさせる

 

揺さぶり、追い詰め、力を奪う

それをするのはわたしなのか?

考えや感情はやって来る

わたしからではない

それでもわたしの中の、何かからやって来る

 

 

 

支配者

 

兄を殺した

兄が戻ることを恐れた

権力の座に就いても兄には何もできなかった

それどころかその気がなかった

重責を負ってまでも、自由を失ってまでも

権力を握りたいとは思っていなかった

 

兄とは疎遠になっていた

兄も身の危険を感じていたに違いない

わたしに近づこうとはしなかった

遠い異国の地で権力とは無縁の暮らしだった

それでもわたしは殺した

血の繋がりがあるだけの無力な兄を

 

殺したのはなぜだろう?

わたしは恐れた、絶対的権力者のわたしが

兄の方が強かったのか?

わたしは幻を見ていたのか?

無力な兄が、ここにいない兄が

わたしよりも大きくなった

 

「ああなったら大変だ、マズイことになりそうだ」

事実ではない仮想、現実ではない空想

異国の地でひっそりと暮らしていた兄

権力欲のなかった兄、その気がなかった兄

道楽者、自由人だった兄

それが事実だった

 

わたしには事実が見えなかった

不実を見て

思い込みで

勘違いで

実在しない幻を見て

わたしは兄を殺した

 

殺したのはわたしなのか?

殺したのはわたしの恐れ

恐れという事実に基づけない幻

恐れという幻を見せたもの

自己意識を越えたわたしの自我

自我というわたしの支配者

 

 

 

忘却

 

ああなったらどうしよう

これはマズイことになる

良からぬことが起きるに違いない

これは敵わない

 

陰りのある心を、錯綜していた思いを

わたしはもう忘れようとしている

恐れの指すその頃が今になる時

何を恐れていたのか、それさえも忘れようとしている

 

だからわたしは知らない

恐れの感情と起きたことの違い

恐れという感情の精度

人生を奪われて来た事実を

 

当たっていようが、外れていようが気にしない

今にない未来と過去に、ここではないどこかに

話題は十分にある

話題を変えてまた見せてやればいい

 

自我になったわたしは気づかない

すぐに忘れてくれる、何度も嵌ってくれる

どうしてこんなことになったのか?

防衛本能だったはずの恐れが、今やわたしを脅かすようになった

 

ああなったらどうしよう

これはマズイことになる

良からぬことが起きるに違いない

これは敵わない

 

そもそもわたしは何に怯えていたのか?

起きてもいない幻に?

事実でもない不明のものに?

わたしは恐れという幻影に怯えていたのか?

 

 

 

シルエット

 

人影にさえも怯えていた

黒いシルエットは見るのも怖かった

用を足すにも風呂に入るにも一人は怖い

落ち着かないわたしは扉を開け放した

何かあればすぐに呼んだ

「おかあさん!」

 

明かりがなければ眠れない

音がなければ落ち着かない

子どものわたしは何を怯えていたのだろう?

気づけば大人になっていた

恐れが小さくなったのだろうか?

幼かっただけなのだろう

 

生き物でもあるまいし、育つものとは思えない

それでも明かりがなければ眠れない

音がなければ落ち着かない

あの黒いシルエットのようにわたしの中で育っている

恐れが?

恐れをもたらすものが?

 

育つのだろうか?

全体のものになるとでも言うのだろうか?

AはBに備えて今日も注ぎ込んだ

BはAに備えて今日も勤しんだ

何も起きていなくても

テクノロジーは日進月歩

 

BはA を上回るように今日も注ぎ込んだ

AはBを上回るように今日も勤しんだ

何か起きてからでは遅いのだ!

相手のシルエットは成長する

オーバーキル

みんなが死んでも残っている

 

 

 

化け物

 

「わたしの車」と言う時も

「わたしの命」と言う時も違いがない

そこに潜んでいる

わたしの命とは何か?

命なしにわたしはあり得ない

わたしと命は一体のものなのだから

 

「自然はいいね」「自然は素晴らしい」

「自然を相手にするのは大変だ」

無機質な人工物も添加物たっぷりの食品も

最先端のテクノロジーもビニールもプラスチックも

すべてが自然の子ども

それでも離れている

 

わたしの中にいる者が

切り離せないものからわたしを切り離した

いや、切り離せない

切り離されて生きてはいられない

命からも、自然からも

わたしを意識の上で切り離したのだ

 

切り離されたわたしが奪った

命にも自然にも調和できない

命からも、自然からも分離したわたしが

命を奪った、自然を奪った

宇宙空間にさえも手を出そうとした

まるで化け物、異物、進化の途上にある克服される矛盾状態

 

身を潜める者がいる

わたしの中に、人類の問題に

エゴという言葉に

エゴという言葉に潜んだわたしのエゴが

切り離せないものから意識の上でわたしを切り離した

そしてわたしになって仕事をした

 

 

 

エイリアン

 

既知の脅威に怯えて未知の脅威に気づかない

目に映る脅威は存在して目に映らない脅威は存在しない

身近な脅威に晒されて遠くの脅威から守られる

小さな脅威に晒されて巨きな脅威から守られる

 

アクシデントがないために世界は存在し

地球も、わたしも生きている

未知なるものの確かな営みで今も世界は存在し

地球も、わたしも生きている

 

それでもわたしは知らない

繋がりの世界に生きていることも

理解と知覚を越えた世界に生きていることも

得体の知れないものに生かされていることも

 

わたしの存在は意識とは無関係にすでにここに生きている

意識は存在に依存しながら実在しないどこかに生きている

わたしはガタガタと震えている

既知の脅威に晒されて未知の脅威から守られて

 

 

 

この辺り

 

歴史の話は退屈です

同じような時代の

同じような話ばかりです

この辺りの話ばかりです

 

この辺りしか知らないから当然です

知っていることだけで話すから当然です

それでも錯覚します、この辺りでできているように

この辺りだけで生きているように

 

わたしの存在は広い世界に生きています

繋がりの世界に生きています

それでも意識は狭い世界に

途切れた世界に生きています

 

思い入れの強さがそうさせるのかもしれません

この辺りに執着します

いえ、そもそも意識はこの辺りだけです

わたしのルーツはあたかもこの辺りです

 

この辺りで歓びます

この辺りで関わりがないと錯覚します

この辺りで排除します

この辺りで殺します

 

ルーツは途切れません

縦にも横にも斜めにも

全く途切れるものではありません

それでもわたしのルーツは途切れます

 

 

 

ルーツ

 

掘り下げは止まる、いずれにしても止まる

わたしには想像力という特殊能力がある

肉眼では捕えられないものが見えて

ここではないどこかへも行ける

この特殊能力はまさにこういう時のためにある

 

わたしのルーツ

親、祖父母、親戚、親族、家系図を越えることは簡単

国境も越えた、種族も越えた、人類の起源、生命の起源

地球の起源、宇宙の起源、どこまでも辿った

わたしのルーツも他のルーツと繋がった

 

純血、優秀な血筋、由緒正しい家系

都合よく切り取られた部分

切り取ることのできない全体の一部

切り取られて存在できない幻

事実ではない不実

 

幻が残っていられるのはなぜだろう?

力を振りかざしていられるのはなぜだろう?

誰かよりも優れていなければ認められない

「誰かよりも」を付けなければ認められない

特有の性質があるため

 

切り離せないものから意識の上で切り離し

意識の上で繋がりを断ってしまう

特有の性質があるため

目覚めのない幻影と虚構を見る

特有の性質があるため

 

だから残っていられる

都合よく切り取られた部分でも

存在できない幻でも

事実ではない不実でも

大宇宙に生まれたわたしたちを支配していられる

 

 

 

比較

 

優れている

劣っている

持っている

言葉にしなくても、頭に「誰かよりも」が付いている

わたし以外の誰かを用意してからわたしを知るのだ

 

何と回りくどい!

ありふれた教えとはいえ、これほど奇妙なことがよくできたものだ

誰かを用意しなくてもよかった

優秀であるよりも、劣等であるよりも

ただわたしを知ることだった

 

わたしはわたしで

あなたはあなたで

似ていても違う

その違いは他になく、この世の一つを生きている

そこに比較は存在できない

 

こんなに簡単なことが分からなかったのはなぜだろう?

違いが見えなかったのはなぜだろう?

違うものを同じに見たのは

比較の中で喜ばず、もがいていたのは

誰も教えてくれなかったのはなぜだろう?

 

 

 

ナンセンス

 

「もし」なんて要らない

ここにあるもの、それだけなのだから

「たら」なんて要らない

起きたこと、それだけなのだから

 

「だとしたら」と言う

そうではないことを「そうだったとしたら」と言う

ないものを「あるとすれば」と仮定する

気楽な遊びを越えてシリアスに受け止める

 

存在しないものは存在しない

ないものはない

ないものを仮想した通りに

「だったとしたら」と言っても仕方がない

 

わたしはナンセンス

選ばなかった現実が「想像通りに存在する」と決めつけた

決めつけるだけでは済まない

「ああしておけばよかった」と後悔までした

 

 

 

曇らせる

 

嬉しかったこと、楽しかったこと、幸せの日々

それらは確かに存在している、事実として

それでも敢えて選んだ

膨大な記憶から敢えて苦しみを抜き出して、わたしに見せた

 

わたしは見せられるまま

生まれた頃から一体の

それには抵抗も気づきもない

見せられるままにわたしは心を曇らせた

 

過ぎたことを見た

失ったもの、去って行った人を見た

起きていないことをわたしは起きているように

あの頃と同じようにわたしはここで心を曇らせた

 

 

 

安定

 

変わらないと思う物でさえ

見えない速さで朽ちて行く

諸行無常

それでもわたしは許せない

他人の心変わり、人生の方向転換

 

諸行無常

それでもわたしは求めていた

留まる安定を

いつまで経っても手に入らなかった

頭の中にしかなかった

 

わたしはいつも今を生きている

一瞬先でも後でもない今を

そんなわたしが安定を見ている

実在しない安定を、安定という感覚を

わたしは幻影を見ている

 

 

 

スタンダード

 

特別なものは要らない

スタンダードだけで構わない

長年探し回って来た

それでも見つからない

 

人によって言うことも違えば、することも違う

少し違うこともあれば、全然違うこともある

一体どこへ行けば見つかるのか?

スタンダードだけで構わないのに

 

普通、平均、一般、標準

空気のように水のようにありふれている

それでも掴めない

それはなぜだろう?

 

空気のように水のようにありふれている

それでも追いかける

追いかけた末に疲弊する

どこにも存在しない、観念に過ぎないのだから

 

何がそれをさせるのだろう?

ないものをあるように見せる

見せるだけでは済まない

わたしを掻き回す

 

 

 

一筋の光

 

世間の足音がする

わたしは身を守るように遮った

それでも透ける明かり

漏れる光

 

抜け出せない、やめられない

あいつが悪い、環境が悪い

自業自得、やり場がない

もう遅い、わたしだけが

 

社会人として、男として、女として

何十代でしておくべきこと

他人や社会からの要求

誰かの価値観、あるべき姿

 

わたしと同じような誰かの作り物

所変われば変わり、時が変われば変わるもの

それを変わらないものにしたのはわたし

受け入れたのも、そこから外れてしまったのもわたし

 

守るべきものだったのか?

守るべきは法律や社会のルール

守るべきはある種の振る舞い

心の中に引き受けたのはなぜだろう?

 

わたしには良心がある

それでもそこにあるのは

「べきもの」でもなければ、「ねばならないもの」でもない

わたしを縛るものとは違う

 

心の中に引き受けたのはなぜだろう?

必要以上に受け入れたのはなぜだろう?

自分を苦しめたのは

誰も教えてくれなかったのは

 

「べきもの」ではないものを

「べきもの」と見たのはなぜだろう?

「ねばならないもの」ではないものを

「ねばならないもの」と見たのはなぜだろう?

 

何がそれをさせるのか?

実在しないものを実在するように見せる

ただ見せるのではなく

わたしの心から自由を奪い、わたしを奪う

 

 

 

ないならないなりに

 

テレビを見ないなら見ないなりに

新聞を読まないなら読まないなりに

本を読まないなら読まないなりに

ないならないなりに成長する

 

ある時とは別の成長をする

常識では測れないだけで

今は知らないだけで

意図の届かないところで成長する

 

この世界は進化そのもの

わたしはこの世界の子ども

留まることはできない

後退もできない

 

家族がないならないなりに

仕事がないならないなりに

友達がないならないなりに

お金がないならないなりに

 

ただ失った訳ではなく

何もしていない訳ではなく

常識では測れないだけで

今は知らないだけで

 

ないならないなりに成長する

わたしはこの世界の子ども

留まることはできない

後退もできない

 

 

 

宇宙人

 

今日も目が覚めた

この世界を生きる許可が出た

今日はどんな仕事をするのだろう?

わたしとこの世界にどんな経験を重ねるのだろう?

 

それにしても眠りは凄い

とても軽い!

蓄積したものが消えている

わたしは眠りの世界で何をしたのか?

 

時計と一緒に世界が切り換わった

宇宙から日常へ、自然界から社会へ

そこは義務と責任の世界

労働の中でわたしは消えた、自然からも宇宙からも

 

昼間はよく見える、それでいて見えない

草木や鳥の多いこの街でもわたしには自然が見えない

太陽が燦燦としても、白い月がそこにあっても

わたしは宇宙を感じない

 

昼と夜の間

わたしは自然界へ帰って行く

明るいような暗いオレンジと

強いようで儚い赤に誘われて

 

空が夜で埋め尽くされる頃

星たちが姿を現わし、宇宙になる

夜風が宇宙の風に、静けさが宇宙の沈黙に

虫の音が命のサインに、わたしは宇宙の一員に

 

 

 

暮らし

 

気づかない優しさ、気づかない強さ、手を引いてくれた母

気づかない強さ、気づかない優しさ、繋いでくれる地球

母のような、引力のような、大気のような、水のような

言葉のない愛情、優しさ、豊かさ

 

生命、地球、宇宙、世界

日常で、馴染んでいて、そのもので

それでも大袈裟に感じている、その言葉に違和感を覚えている

存在はそこにあっても意識はどこかにある

 

生きることがどれほど過酷なことか

わたしたちは忘れてしまったのかもしれない

宇宙に生きていることも、天体に生きていることも

いや、はじめから知らないのかもしれない

 

宇宙の子ども、地球人

平凡な暮らしがどこにあるのか?

代わり映えしない日々がどこにあるのか?

「わたしには価値がない」と言う者がどこにいるのか?

 

子どもたちの声がしている

オハヨウ

サヨウナラ

イッテキマス

 

タダイマ

イタダキマス

オイシイネ

アリガトウ

 

 

 

似合わない

 

大宇宙で遠慮する

大宇宙で卑下する

大宇宙で諦める

大宇宙でふるいに掛けられ

大宇宙で粗末にされ

大宇宙で惨めになり

大宇宙で悲しくなる

 

宇宙創世から戦い続けた

生まれる前も生まれてからも

あっちであればあなたはいない

そんな数多の岐路をくぐり抜けた

気づけば無敗、存在の奇跡

人智を超えた宇宙の歴史、すべてを抱えて

あなたは今、歴史の先端に立っている

 

そんなあなたが遠慮する

そんなあなたが卑下する

そんなあなたが諦める

そんなあなたがふるいに掛けられ

そんなあなたが粗末にされ

そんなあなたが惨めになり

そんなあなたが悲しくなる

 

 

 

そこにある

 

華やかな式典、世界が注目した

前代未聞、前人未到

世紀の大発見、世紀の大発明

 

発見、発明

そこにあるものを見つける、明らかにする

言葉は事実をよく表した

 

知られようと知られまいとそこにある

法則も、可能性も

まだ見ぬものがそこに

 

ざわめきとは無縁に仕事をする

だからわたしはここにいる

だから世界は拡がり、進化する

 

 

 

さりげなく

 

語れば語るほど

断言すればするほど嘘になる

自然のように、世界のようにありたい

自然は、世界はさりげない

黙々と自分を生きている

存在も行動も仕事も一致している

それでいて完璧で、それぞれが完璧な仕事をする

だから停止しない、生きている

繋がりとして生きている、進化する

 

わたしはあからさま

こんなにできる

あの人よりもできる

凄いだろう?

見てくれ、認めてくれ

これでは足りない、割に合わない

こんなものも見つけた、あんなものも明らかにした

わたしはとても喧しい

その上、他の誰かになりたがる

 

生きているわたしのようにありたい

存在としてのわたしはさりげない

黙々と自分を生きている

存在も行動も仕事も一致している

それでいて完璧で、それぞれが完璧な仕事をする

だから停止しない、生きている

繋がりとして生きている、成長する

わたしを作る細胞や微生物のこと

生きているわたしのこと

 

 

 

思いを越えたわたし 思い通りのワタシ 

 

わたしが生きている

生きているところにわたしがいる

わたしが生きている

わたしの思いを越えて

 

思いを越えている

それは完全な超越

わたしの理解や発想

人智さえも越えた 

 

わたしの存在は思いを越えている

それでも思い通りにしたがるわたしもいる

思い通りにしたがるわたしはよく怒る

思い通りにならない時にもわたしは怒る

 

わたしの中に2人のわたしがいる

思いを越えたわたしと思い通りのワタシ

思いを越えたわたしは大人しい

影が薄い、それでも存在そのもの

 

思い通りのワタシは五月蠅い

圧倒的な存在感、それでも存在感に過ぎない

それどころか存在を脅かそうとする

わたしの意識の下で

 

思い通りのワタシは思っている

何でも思い通りにできる、思い通りにしていると

理解を越えたこの命までコントロールしていると

わたしが人生設計をするのはその現れかもしれない

 

自分がしていると思っている

思い通りのワタシは知らない

思い通りのワタシになったわたしは知らない

影の薄いわたしを、生きているわたしを、存在としてのわたしを

 

 

 

猫町

 

私有地であろうと猫には関係ない

それでも怒りもしない

猫と人がうまく共存している

わたしの町ではどうだろう?

侵入されようものなら苦情が出る

飼い主の責任が問われる

「これは問題だ!問題だ!」と騒ぎになる

 

問題とは何だろう?

問題が生まれたのはなぜだろう?

状況や条件の問題とは思えない、ましてや猫の問題とも

問題にしたのは人かもしれない

はじめから問題はなく、はじめから意味もない

出来事がある

人は出来事に意味を与え、与えた意味を引き受ける

 

猫が棲み付く場所は暮らしやすいと言う

人も暮らしやすいのはなぜだろう?

猫には不思議な力でもあるのだろうか?

わたしはふと気づいて納得した

猫がいても問題にする人がいないからだと

問題を作る人がいない、問題の少ない場所

それは人も暮らしやすいに違いない

 

 

 

ガガンボ

 

その華奢な脚から生まれる激烈な振動に目を奪われた

求愛行動なのか

準備運動なのか

生きている喜びの表現なのか

 

秋の虫が鳴いている

そこに場違いな産声を上げた

「みーんみんみんみんみー」

何ともばつが悪い

 

あの蝉は出遅れた間抜けなのか

気の毒で憐れな蝉なのか

それとも仲間が死に絶え

光の見えない世界に敢えて現れた小さな勇者なのか

 

わたしを誘う子どものようなヒタキの声

わたしの心を砕く音にならないあの鳩の声

夜通し翅を擦り合わせる健気な秋の虫たち

どれもわたしの物語に過ぎない

 

勝手な物語を作るとしても、実体に対する事実の注釈が要る

「何々だと考えられています」と

わたしは自ら与えた物語を生きて

誰かが与えた物語を引き受ける

 

わたしには誰にも侵害されない特権がある

解釈できること

出来事に意味を与え、意味を受け取り、意味の世界を生きること

それはわたしにしかできない

 

わたしは自由に意味を与える

現れた出来事に、この世界に

わたしは何度も再構築する

何度も新しい世界の主人になる

 

 

 

不器用

 

随分遠回りをした

周りとは全然違う

何も持てなかった

要領が悪く、不器用で自分が嫌になる

 

人生は思い通りと聞く

わたしがこんな人生を望んだとでも言うのか?

ほとんど疑問のまま

それでも微かに思い当たる

 

派手なものよりも素朴なものに

成功よりも質の高い仕事に

結果よりも己の信念を貫く人に

要領のいい人はあまり好きにはなれない

 

そう言えば思い通りかもしれない

正確には信じた通り

ただ結果を貰っても喜べない

わたしにとって大切なのは途中で、結果はその結果に過ぎない

 

口先で「結果がすべて」と言って来た

それでも信じていたのは途中だった

要領の悪さを嘆きながら

それでも構わないと信じていた

 

Es ist gut.

ある哲学者の最期の言葉が浮かんだ

そうか!

わたしはこれでよかったのか

 

 

 

アクシデント

 

収拾がつかなくても構わない

余計に散らかっても構わない

それでもそうはならない

アクシデントは続かない

 

わたしに不慮の出来事が現れる

持てる力では解決しない

わたしは全く新しい試みをする

新しい発想、新しい組み合わせ、新しい方法

 

誰かに掛け合って力を借りることもある

わたしは新しい発想で、新しい方法で

新しいわたしでアクシデントを乗り越える

わたしは意図を越えて新しいわたしになる

 

アクシデント

それは飛躍のきっかけ、装置

負荷が弱ければ成長しない、強過ぎれば潰れる

頭は言う、「スムーズであるように、ノー、トラブルで」

 

現実は頭ですることを越えて来る

それでも現実はわたしを見ている

わたしに相応しいものをその時々に与える

だからわたしは潰れずに成長する

 

 

 

職人

 

閃き

それは微かなサイン、初めに来る方

それに従うとうまく行く

何となく知っている

それでも相手にしない

 

後から来る方

定石、目先の都合

考えに従う

仕事は停滞し始める

わたしは焦り始める

 

「それでも大丈夫」

そのことも知っている

思った通り、事は過ぎ去る

それでもうまくない

美しくない

 

難しそうな仕事、初めての仕事は気が重い

それでも知っている

無意識からの言葉、「何とかなるよ」はその現れ

わたしは覚えている

終わらなかったことは一度もなかったことを

 

 

 

ひとり旅

 

どれほど歩いたことだろう

自分の足でここまで来たのだろうか?

誰かの助けなしにはあり得なかった

 

渇いた、と聞けば水を飲み

暑い、と聞けば服を脱ぎ

疲れた、と聞けば横になる

 

減った、と聞けば食事をし

寒い、と聞けば服を着て

行くか、と聞けばまた歩く

 

それの為すがままではなかったか?

自分で成し遂げたつもりだった

わたしは自分の足でここまで来たのだろうか?

 

 

 

岐路

 

望みがないと思っても微かな望みがある

妥協でも取りたい選択肢は残っている

余地がある

そこに優しさがある

 

岐路に立たされた時

知らなかったわたしを知るのかもしれない

望んだ道に進んだとしても望んだようにはならない

それでも必要な何かを得るのかもしれない

 

何もかもがうまく行かない

遅過ぎる

もう望みがない

それは誤解だったのかもしれない

 

それでも誤解さえも織り込み済み

誤解がなければ苦しみは起きない

苦しみがなければここへは辿り着けない

わたしは苦しみを避けてここへ来たのだから

 

広がる可能性を絞り込み

わたしの希望や展望とは別に

導かれるようにここへ来たのかもしれない

わたしの知らないわたしを知るために

 

 

 

豊かさ

 

額に汗をして丹精を込めたあのトマトが

あの値段に等しい訳がない

命懸けで繰り出し、熟練の技で仕留めたあの魚が

あの値段に等しい訳がない

豊かさはお金で計れない

 

それでもお金ばかり見ている

わたしは狂っているのか?

豊かさはお金だけじゃない、当たり前の事実を鼻で笑うほど

信念の力は凄いと言わざるを得ない

事実ではなくても信じた世界を生きるのだから

 

幼い頃の話を友達がしてくれた

「世のために働いた報酬として

天からお金が降って来ると思っていた」

子どもの友達はお金と表現した

それでもやっぱり子どもは知っている

 

豊かさは世界から来ている、人の形をした後ろから

わたしの尽くした仕事に世界が応える

「あの人から返って来ない、まだ返って来ない」

「これでは足りない、割に合わない」

わたしがそれを知らなくても

 

 

 

守銭奴

 

騙してまでも

恨まれてまでも

傷つけてまでも

殺してまでも

使うことがなくても

どこまでも欲しい

お金は特別

まるで中毒

 

金持ちは偉い

金持ちは優れている

金を持てば幸せになれる

いくら稼いだ

いくら儲けた

いくら得した

結果がすべて

「結果」と言うだけで金を指すようになった

 

金を知った

金を受け入れた

金に魅せられて虜になった

世界はコントラストでできていると言う

一方を知ることでその反対を知るのかもしれない

守銭奴にならなければ見えない景色があるのか?

守銭奴のわたしはいよいよその反対を知るのか?

金なんてどうでもいい、と思える時が来るのか?

 

 

 

愛らしい

 

居酒屋での他愛のない会話だった

誰かが断言した

「この世界は愛でできているんだよ」

「この世界は愛そのものなんだよ」

 

その言葉を聞いた途端、抵抗したい気分になった

わたしのいた場所がそうさせたのかもしれない

世の中には苦しんでいる人がたくさんいる

「何が愛か」という気持ちもあったのかもしれない

 

幼い子が見ず知らずのわたしに笑顔で手を振ってくれる

「はい」と言って別の子は自分のお菓子を分けてくれる

その笑顔と仕草に気後れするわたしがいる

子どもたちを見ていると思う、確かに愛そのものかもしれない

 

子どもたちはよく笑い、よく走る

「自分にもあんな頃があったのか?」と不思議に思う

「優しいね」、大人たちに言われた記憶が残っている

あの子のようにわたしも手渡したのかもしれない

 

知ろうと思えばどこにでもある

愛らしいキャラクターやイラスト、可愛らしい形、色使い

子どもたちの乗り物、おもちゃ

看板や広告、商品のパッケージ、目にはつかない包装紙にまで

 

至るところに“愛らしい”ものがある

形を持ったわたしとこの世界は

まだ「愛そのもの」とは言い難いのかもしれない

それでも学んだり、身に付けたりするのは可笑しい

 

そこにある

覆っている物をただ取り去れば

思い出せば

あるものに気づけば

 

 

 

よけてくれる

 

猫がよけてくれた

蟻がよけてくれた

犬を連れたおじさんがよけてくれた

毛虫がよけてくれた

 

ハトがよけてくれた

トカゲがよけてくれた

黄金蜘蛛がよけてくれた

対向車がよけてくれた

 

ダンゴ虫がよけてくれた

殿様バッタがよけてくれた

店員さんがよけてくれた

隕石がよけてくれた

 

シオカラトンボがよけてくれた

ヤモリがよけてくれた

終末論がよけてくれた

未知の脅威がよけてくれた

 

人波がよけてくれた

みんながよけてくれた

モーセが海を割ったように

わたしが生まれてからずっと、生まれる前もずっと

 

この世界は愛そのものと言われる

だからわたしはのんびりできるのか

そこへ果敢にも向かって来た

世界を震撼させたあの吸血鬼、モスキートが!

 

 

 

月光

 

月は何をくれたのだろう?

何かくれているに違いない

わたしがそれを知らないだけで

 

月はたくさん書いた

曲を書いた、小説を書いた

手紙を書いた

 

月はスポットライトのように照らした

恋人たちの心を、家族の心を

独りの心を

 

月は少し影がある

それでも多くの動物に見られた

意志を持って見つめられた

 

月は何をくれたのだろう?

わたしたちを励まし

わたしたちの心を育てた

 

昼の明かりも夜の明かりも同じかもしれない

それでも月越しの明かりは寄り添う

わたしを静かに癒し、穏やかな悦びをくれる

 

鏡越しでも違う

月越しの明かりは幽玄に

わたしの知らなかった心を照らしている

 

 

 

創造主

 

ヘッドライトの光はカーテンの隙間から入って

天井を走って壁を抜けた

心を込めて情感豊かに歌うあの人は

影まで誠実でわたしの心を震わせる

三面鏡に映り込んだわたしは

どこを見てもわたしで正しい

 

わたしの故郷は時速1600kmで自転し

時速10万7200㎞で公転する

故郷を含んだ世界は時速86万4000㎞で銀河を周回し

銀河は227万1600㎞で重力源に向かう

 

それでもわたしの存在はまるでブレない

わたしの思考は頼りなく

心は浮き沈んでぐらぐらでも、存在はビクともしない

目の前のコーヒーもこぼれる気配さえない

朝起きてもわたしの日常は少しのズレもなく

昨日のままここにある

 

この世界は理解を越えている

それでも完璧なことは知っている

人生のどこかで完璧の意味を教わって来たから

その言葉がこの世界にぴったり当て嵌ることも知っている

 

わたしは足りない、できない

分からないことばかりで、臆病で腰が重い

それでもわたしの存在と世界は全知全能で

わたしは神の世界を持っている

わたしは神のような人たちから教わり

神の世界に育てられて今日も少し大きくなる

 

大部分の水と、残りの蛋白質と

脂質と、その他でできたわたしの脳細胞が

わたしのすべてを創っているとは思えない

当たり前でも信じられない

いくらエゴがあると言っても

どうやって「それを信じろ」と言うのか?

 

分かる、分からないはこの際どちらでも構わない

それこそがエゴの態度

この世界を獲得したかった創造主の気持ちで

今は味わいたい

 

 

 

 

わたしが歩けば誰か死んだ

わたしが生きれば誰か死んだ

皮膚は剥がれ落ち、再生した

わたしは死に、また生まれた

Mortal …死は免れない

 

不要な殺生はするな、「情けは他人の為ならず」と似ている

世界に投げたものを受け取る

仕組みは知っていても助けられない、助けたくない

可愛がりながら一方で殺した

わたしは自己矛盾、コントラスト

 

仕方がない

目を背けているだけかもしれない

悪気がない、踏み潰したように、木を切ったように

聖なる者がいるのか?

Mortal…死は免れない

 

いつか肉体を失う

それでもわたしの視点、主観と呼ばれるこの視点は変わらない

眼がなくても

体がなくても

わたしは意識、わたしは魂

 

愛情を求めながら奪い、与えながら奪った

奪ったように奪われるのか?

美味しいな、と言われて

ああ不味い、と言われて

鬱陶しい!…と言われて

 

踏み潰したように

木を切ったように

蠅を殺したように

生まれる前に決めたように

何も知らずに

 

わたしは自己矛盾、コントラスト、生まれて死ぬこのサイクル

死に際に何を見るのか?

愛情をくれたあの人を

毎日食べている手料理を

思わず遮った眩しい光、青い空を

 

 

 

ゆめうつつ

 

鳩は平和のシンボルと言われる

それでもあの声には幽玄なものを感じる

夢か現か、朝焼けの中であの声がした

白昼夢のような子どもの景色

 

わたしは夢の中で夢と気づいた

だから目を覚ますことなく夢を楽しんだ

わたしは現実の中で現実と気づいた

だから目を覚ますことなく現実を楽しんだ

 

わたしを生かす者がいる、導く者がいる

それを主と呼ばずして、誰を主と呼ぶのか?

魂は生まれることもなくなることも知らない

これまでも、今も、これからもわたし

 

永遠のわたしにとって現実は一瞬の瞬き、儚い夢

主が生きる世界を夢と呼び、従いて行く者が生きる世界を現と呼ぶ

そんな不条理が許されるのか?

不条理は良心によって改められることだろう

 

現実が夢なら

それでも深刻になってばかりいるのか?

稼いでばかりいるのか?

「もう遅い」と言うのか?

 

現実がなりたい自分になれる夢なら

それでも嘆いてばかりいるのか?

人目を気にしてばかりいるのか?

今の生き方を続けるのか?

 

わたしは夢の中で夢と気づいた

だから目を覚ますことなく夢を楽しんだ

わたしは現実の中で現実と気づいた

だから目を覚ますことなく現実を楽しんだ

 

 

 

木の実

 

登場人物は必要な時に現れる

登場人物はあなたの力になる

あなたは登場人物から受け取る

 

登場人物は嫌なこともする

今のあなたに分からない

未来のあなたが理解する

 

登場人物はあなたに与える

あなたのテーマに沿った何かを

登場人物の意図を越えて

 

あなたは登場人物に与える

登場人物のテーマに沿った何かを

あなたの意図を越えて

 

受け渡しは同時に起きる

世界は関係性で成り立っている

まるであぶれるピースのない立体パズル

 

意識を持つ人はその人の世界では主役で

お互いが自分の人生の主役で

他人の人生の脇役とも言える

 

本心にありのままのあなたがいる

本心からの思いは実現する

この世界はなりたいあなたになれる世界

 

「坊や、強く生きるんだ、広いこの世界、お前のもの」

ビゼーのあの歌を思い出した

広いこの世界はあなたのもの、主役はあなた

 

 

 

勇敢な臆病者

 

体の方は足りない

臆病で、深刻で、曇っていて、濁っていて

まるでエゴのような憎悪と影

 

魂の方は完全で

勇敢で、気楽で、曇りも濁りもない

まるで良心のような愛情と光

 

勇敢な臆病者、エゴに囚われた魂

知らないところで知っている、知らない人は誰もいない

誰もが参加者、人類の進化計画への、世界の進化計画へ

 

何と勇敢なことだろう!

肉体を犠牲にしてまでも、人生を犠牲にしてまでも

人類の共通課題、諸症状を見せてくれる

それでも他人事ではなく、わたしはあなたを通して自分を見ている

 

あなたはあなたのテーマを生きている

わたしはわたしのテーマを生きている

あなたはわたしの人生のテーマに沿ったものを

あなたの意図を越えてわたしにくれる

 

エゴの眠りから覚める人、眠ったままの人、上下も優劣もない

互いに意図を越えて与え合い、関係を生きている

わたしもあなたも誰もが参加者

意図を越えた人類の進化計画への、世界の進化計画への

 

 

 

よみひとおらず

 

理解を越え、意図を越え、わたしは生きる

わたしを生かすものがある

生かすものがわたしを通して詠む

だからわたしは詠み人おらず

 

わたしを生かすものはこの世界を創造したもの

この世界を拡げ、進化に向かわせるもの

わたしたちを生み、成長させるもの

目には映らない生命の漣

 

わたしを生かすものはあの日に出会ったわたし

今までも、今も、これからもわたし

わたしは意識として、魂として永遠かもしれない

だからわたしは黄泉人おらず

 

こんな言葉を読む人がいるのか?

そこにあなたはいるのか?

わたしのようなあなたがいるのか?

だからわたしは読み人おらず

ささげもの2

1鼻歌 2老いも若きも 3後ろの正面 4何も起きていない

5典型 6臆病 7なろうとする 8関係ない

9台無し 10捕らえるワタシ 捕らわれるわたし

11飄々と 12距離 13死角 14自我 15罪16無知

17分からない 18怒りとわたし 19静かな世界 20空白

21進化論 22ルーティーン 23突き破る 24完全 

25力強いこと 26風邪 27神の戯れ 28命の呼吸 29家路

30月 31躊躇 32苦手なヒト 33本心のわたし 34公園

35警告 36スイッチ 37意識 38双子 39全身全霊

40光そのもの 愛そのもの 41無条件の愛 42言葉

43完璧主義者 44思い出 45天才 46自分を知る 47新芽

48送電線 49一つに 50帰属 51背後にあるもの

 

 

 

 

 

 

鼻歌

 

しばらくすれば歌っている

わたしならどうだろう?

どれほど持ち続けることだろう?

あんなにキツイことを言われたのだ

1日、2日、それ以上かもしれない

 

過ぎたことが蘇った

怒りが立ち現われた

姿のない相手を見た

姿のない相手と戦った

失った分を取り戻そうと必死に

 

明るく見えても能天気ではなく、細やかに心を配る

そんな彼女が鼻歌を歌うのはなぜだろう?

本心は分からない、それでもクヨクヨしているようには見えない

怒りを抑えるようにも、心掛けで歌っているようにも見えない

歌う姿はとても自然に見える

 

そう言えば自然界の生き物はさっぱりとしている

いつまでもクヨクヨしない

持ち続けたりはしない

喧嘩をしてもさっぱりとしている

それは丁度彼女のように

 

彼らにあってわたしにないものは何だろう?

いつまでも持ち続けるのはなぜだろう?

姿のない相手を見たのは

姿のない相手と戦ったのは

得体の知れない何かを取り戻そうとムキになったのは

 

 

 

老いも若きも

 

ないものは見えない

それでも見ている

あるものは見える

それでも見えない

 

過去は過ぎたもの、未来は現れていないもの

わたしが生きる場所は今、いつも今

それでも今にない

体があっても意識はない

 

時間があれば

自由があれば

お金があれば

経験があれば

 

予定があれば

繋がりがあれば

元気があれば

若さがあれば

 

 

 

後ろの正面

 

あるうちは見えない

なくなってから見える

見えた時にはない

 

なくなってからでは遅い

わたしは喪失感に襲われる

自責の念にかられる

 

またなくなったものを見ているじゃないか!

今あるものも、今いる人も見えない

同じ繰り返し

 

見えないものを見せて、見えるものに蓋をする

そのことでわたしを不幸にしようとする

わたしの中の何がそれをさせるのか?

 

すると即座に答えた

「人とはそういうものだ」と

さっきのものがわたしにそう答えた

 

 

 

何ともない

 

起きていないことを思う

起きていないことを思ってあまり悦ばない

起きていないことを思って心を曇らせる

「人とはそういうものだ」とわたしは疑わなかった

起きていないことを思うのはなぜだろう?

 

心配、恐れ、不安、後悔

起きていないことに心を曇らせる

考えてみれば奇妙だ、起きていないのだから

それでもわたしは心配し、恐れ、不安になり、後悔する

起きていないことに、心も、体も、人生も奪われる

 

過去は過ぎたもの、未来は現れていないもの

わたしはいつも今に生きている

今は起きていない

これから起きるかどうか分からない

わたしはいつも今に生きているのだから

 

「こんなことになるとは思いもしなかった」

予測できないことをわたしはちゃんと知っている

それでも決めつける

「起きるに違いない」と決めつけて心を曇らせる

わたしの中の何がそれをさせるのか?

 

過去は過ぎたもの、未来は現れていないもの

わたしはいつも今に生きている

今は起きていない

これから起きるかどうか分からない

今は何ともない

 

 

 

典型

 

前例がない

過去から判断すると信用できない

どうなるか疑わしい

 

事実を見せない

見せない上に心の苦しみを惹き起こす

それが典型かもしれない

 

前例のないものを拒んだわたしの世界は進化しない

過去から判断するわたしには過去も現在も未来も同じ

どうなるか分からないと疑うわたしには未来のことが分かる

 

わたしには事実が見えない

進化して来たこの世界が、過去と現在と未来の違いが

未来のことは分からないという事実が

 

事実が見えない上にわたしは恐れ、疑い、悲観した

すでに乗っ取られているじゃないか!

わたしは自我に乗っ取られた人間、その典型じゃないか!

 

 

 

臆病

 

「認めれば無くなる」

エゴは臆病なのかもしれない

エゴになったわたしは認められない

今のわたしではないものを少しも認められない

 

今のわたしを頑なに守ろうとする

観念しなければならない段階に来ても抵抗しようとする

言い訳をしようとする、隠そうとする

素直になれない

 

それは当然のことかもしれない

「無くなる」と思っているのだから

それでも無くなりはしない、減りもしない

幻に過ぎない

 

認めれば持ち物を失うのかもしれない

社会的地位、信用、名誉

それでも無くなりはしない

存在は減りもしない

 

虚偽や隠蔽のニュースは連日世間を騒がせる

問題は隠れたままで、モラルの問題で過ぎてしまう

わたしと同じものを抱えている

「認めれば無くなる」と思っている、臆病なものを

 

 

 

なろうとする

 

わたしは勝とうとする

上位に立とうとする

それが叶えば認められる

喜びを得られる

 

敗者を作らなければ喜べないのか?

敗者を作らなければ認められないのか?

何が認められるのか?

わたしの努力、わたしの大きさ、わたしの存在か?

認められなければどうなるのか?

わたしがわたしでなくなるのか?

 

わたしは持とうとする

プロフィール欄にズラリと並べた肩書きの数々

それはわたしの存在

持たなければどうなるのか?

失えばどうなるのか?

わたしがわたしでなくなるのか?

 

わたしはなろうとする

今のわたしではない他の誰かに

今のわたしではない他の誰かになれるのか?

過去は過ぎたもの、未来は現れていないもの

いつも今に生きている

今のわたしを否定して何をしているのか?

 

わたしはなろうとする

今のわたしではない他の誰かに

今のわたしには足りない、今のわたしではいけない

それは事実か?

 

生まれながらに価値がある

なることで、持つことで価値が増え、失うことで価値が減る

それは事実か?

なろうとするのはなぜか?

ムキになるのはなぜか?

わたしの中の何がそれをさせるのか?

 

 

 

関係ない

 

次の瞬間さえ分からない

次の瞬間に死んでいるのかもしれない

いくら若くても、年老いていても、貧乏でも、大富豪でも

例外がない

 

それでも事実が見えない

20歳のわたしは「人生はこれからだ」と言った

40歳のわたしは「人生の折り返し地点を過ぎた」と言った

80歳のわたしは「老い先が短い」と言った

 

次の瞬間さえ分からないわたしが

いつまで生きるか分からないわたしがそう言った

わたしは事実を生きることができない

普通、平均、一般、標準という物語を生きている

 

夭折した人に平均寿命は関係ない

「普通は」という話も何の関係もない

何万人に一人がなると言われる難しい病がある

難しい病を患う人に確率の話は関係ない、何の価値もない

 

二人に一人でも、何万人に一人でも関係ない

それが起きるかどうかは関係ない

二人に一人でも、何億人に一人でも

それになるということとは別問題なのだ

 

医者ではない

保険業を営む訳でもない

それを生業にしていないわたしには関係ない

わたしを生きる上で関係ない

 

それでも事実が見えない

自我になったわたしは物語を見ている

事実とは異なる物語を

普通、平均、一般、標準という物語を生きている

 

 

 

台無し

 

類い稀な才能と努力

スポーツでも音楽でも

人並み外れたプレイヤーがいる

憧れの的、尊敬の対象、わたしには高嶺の花

 

それでもわたしには恵みがある

足を運ばなくても、大金を払わなくても味わえる

これはわたしに与えられた恵み

ところがそうは行かない

邪魔する者がいる

とんでもないことをわたしにさせたのだ

 

「ああすればいいのに」

「何をやっているんだ!馬鹿野郎!」

「あいつは何も分かっていない」

「あいつはダメだ、こいつの方がまだマシだ」

人並み外れたはずの、尊敬の対象だったはずの

人生のすべてを捧げている人にそれを向けたのだ

 

驚くはずのわたしが退屈な顔

嬉しいはずのわたしが険しい顔

楽しいはずのわたしが舌を打ち

わたしの辺りを気まずくさせた

 

類い稀な才能と努力、人並み外れたプレイヤー

味わうことができたはずの恵み、全部台無しにした

楽しむ秘訣は素直に味わうことかもしれない

素直になれない者の抵抗を余所に

 

人並み外れたスピード、力強さ

プレイの正確さ、美しさ

躍動する細胞、天体で起きているこの事態

「うわぁ、凄いなぁ!」

子どもの驚きで接するのが一番かもしれない

後は何も要らない

 

 

 

捕らえるワタシ 捕らわれるわたし

 

忙しくないか

退屈していないか

苦痛を感じていないか

相手のことは考えない

 

分かっていても満たそうとする

わたしの話は一方的で

ぼやき、嘆き、批判の類

延々と自己主張することもある

 

こんなことも知っている

こんなことも考えることができる

わたしは正しい、あの人は間違っている

わたしの話には説得力がある

 

得意になって話し続けた

話が終わりに差し掛った頃、「はっ」とした

ヒートアップしている自分と相手との温度差

わたしだけが話をしていたのだ

 

そこに二人のわたしがいた

捕らえるワタシと捕らわれるわたし

わたしは無意識のうちに捕らわれた

身勝手な行動に出た

 

 

 

飄々と

 

怒りを許すな、不正や理不尽に対する怒りを

正義感、人間らしさで許すな

そこに紛れようとする

どんな隙間にでも侵入するならず者が

 

声を荒げるというのはひとつの症状だ

わたしたちは理性的な段階、成人なのだ

怒りっぽい、気が短い、感情的

感情という得体の知れないものに与えた後付けの言葉を

当たり前のものだと、よくあることだと許すな

わたしたち現代人は科学の信奉者なのだ

 

怒りと起きたことを切り離せ

怒りと事実を切り離せ

怒りは挑発

ならず者が怒りでわたしたちを釣ろうとしている

 

すぐに飛びつくな

怒りと一つになるな

怒りからするな

怒りを許すな

 

飄々と、粛々と

わたしたちは知性的な生物

意志疎通のできる進化段階

声を荒げる理由などどこにないのだ

 

 

 

距離

 

信じられない

あんなに感じのいい人が、普通の人が

ボタンの掛け違いから、一瞬の出来事から

愛情のある人がある日、罪人になった

 

イライラしている

激烈なエネルギーが湧いて来る

すぐにでも吐き出したいエネルギーが

吐き出したいままにしてはいけない、それでも衝き上げる

 

湧き起こるままに、欲求のままにすると

距離がなくなる

「(わたしは)イライラしている」

と思っていたわたしがいなくなる

 

湧き起こるエネルギー、吐き出したい欲求

それとの距離がなくなり、タガが外れる

わたしたちには破滅への欲求もあるのかもしれない

「どうなるか見てみたい」と言うわたしさえいるのだ

 

「魔が差す」と言われる

わたしたちの中に魔物がいる

距離がなくなれば瞬時にそれになり

声を張り上げ、怒りを撒き散らし、傷を付ける

 

魔物と向き合う時に来ている

肉体を纏うと同時に纏ったそれを

ただ知り、それがいることを認め、距離を取る

やがてそれはわたしたちであり、わたしたちではないことを知る

 

 

 

死角

 

恨みはどこから来るのだろう?

相手から来るのか?

出来事から来るのか?

恨みの感情も思考もやって来る

 

相手からではなく、出来事からでもなく

感情と思考はわたしの中からやって来る

わたしではない

それでもわたしの中からやって来る

 

「どうして逆恨みで人が殺せるんだ!」

人は追及されても

恨みの感情と思考の元に、核心に目は向かない

追及された人、した人、同じようなものかもしれない

 

自我は死角にいる

非難の矛先を自分には向けない

別の者に向ける

自我はそこにいる、あなたのいるところに

 

死角からあなたに忍び寄る

そしてあなたになって仕事をする

自我に光は当たらない

自我になったあなたが自分を疑ったりはしない

 

 

 

自我

 

わたしには「わたし」という感覚がある

あなたや、彼や、彼女ではない

「わたし」という自己意識がある

自己意識は自我と呼ばれた

 

これは運命の悪戯か?乗り越えるための試練か?

自我は紛れたがる

それでも次の形容詞が暴露する

自我が強い、自我が弱い、自我が薄い

 

「わたし」という自己意識は変わらない

強くなったり、弱くなったり、薄くなったりはしない

あなたや、彼や、彼女ではない

「わたし」という自己意識が、ただある

 

「わたし」という自己意識とは別の、別の自我がある

わたしの中で強くなったり、弱くなったり、薄くなったりする

わたしには自覚できない

わたしと一体になったものがある

 

わたしを苦しめる

わたしや周りを不幸にする

「わたし」という自己意識とは別の

「自我」という言葉に紛れた自我が、わたしの中にある

 

 

 

 

命を頂いて生きている、ということか?

ヒトが持って生まれた罪とは何だろう?

「動物や植物から学びなさい」

かつての聖者はそう言ったという

 

いつものように向かいの犬は走り回り

庭のチューリップは風に揺れ、太陽は燦燦とする

彼らは彼らに見える

100%の自分で今に生きている

 

わたしは誰かの理想像、あるべき姿

今のわたしではない他の誰かになりたがる

時流、普通、他人の視線が気になる

それになろうとさえする

 

わたしは恐れ、後悔する

体はあっても今にない

わたしの意識は未来と過去にある

そのことにも気づかないのだ

 

持って生まれた罪があるとすれば

今にしか生きられないわたしが、今にいない

わたしでしかいられないわたしが、わたしではない

わたしのこのあり方かもしれない

 

持って生まれた罪があるとすれば

エゴのことかもしれない

エゴがもたらす苦しみになすがまま

目覚めのない眠りについたまま

 

 

 

無知

 

37兆とも言われる細胞、100兆を越える微生物

それらの正体、それらの仕事

心の在り処、意識の仕組み

脳細胞が意識を生み出しているとすれば

水やタンパク質、脂質や核酸や糖の塊が

どうしてわたしの世界を構築できると言うのか

骨、肉、筋、皮、神経、臓器

何が起きているのか、なぜ生きているのか

 

分からない

支配などできていない

なぜか生きている

まるで他人事、それでも事実

心臓は鼓動し、わたしは呼吸する

理解と意図を越えたところでわたしが生きている

それでも自分で生きていると思っていた

どうやって生きているのかも分からない、それにもかかわらず

 

わたしの中の何かが

自分でしている、知っている

把握している、支配していると思っている

エゴは知らない

生きているわたしを、存在としてのわたしを

生かされている事実を

エゴになったわたしは知らない

人智を越えて生きている、存在としてのわたしを

 

 

 

分からない

 

(お前の言うことも、お前の感覚も)

俺には分からない

 

分からなく構わない

分からなくても生きている

分からなくてもここにいる

分からなくても進化する

わたしもあなたも地球も世界も

 

(お前の考えも、お前の気持ちも)

俺には分からない

 

分かりたいと思っても、ムキになるのはなぜだろう?

分からないとどうなると言うのだろう?

分からないと気が済まないのは誰だろう?

存在としてのあなたとは違う

存在としてのあなたに分かる、分からないは関係ない

 

「分からない」と騒ぐのは誰だろう?

いつも喧しいのは誰だろう?

存在としてのあなたとは違う

それでもあなたに違いない

あなたのエゴ、エゴになったあなた

 

 

 

怒りとわたし

 

理解を越え、意図を越え

思いの外に生きている

それを知るわたしが

「思い通りにならない」と騒いだりはしない

 

同調して騒ぐこともできる

怒りの感情になることもできる

騒いでいるものと一体化しつつも

思い通りになることなど殆どないことも知っている

 

思い通りにならない

それでも細胞は生きている

それでも人生は展開し

現れた展開から受け取り、わたしは成長する

 

騒ぐには知り過ぎてしまったのかもしれない

「思い通りにならない」と言うもの

現れる怒りの感情と思考に気づいて

わたしは囚われる前に軌道修正するだろう

 

わたしは怒りの感情とは違う

「思い通りにならない」と馬鹿騒ぎするものとも違う

わたしは思いの外に生きている

存在しているわたしなのだから

 

 

 

静かな世界

 

高い空、澄み切った世界

風になった雲は刷毛目になる

見上げるうちに

衛星写真のように宇宙から地球を見ていた

 

頭の奥、「シーン」と微かに音がする

音は耳からしている

音は耳からしかしない

わたしはそう思っていた

 

浮かんでは消えた、わたしのこと、他人のこと

終わったこと、起きるかどうかも分からないこと

身近なこと、突飛なこと

シリアスなこと、如何わしいこと

 

空想、物語

声のない独り言

止めどない思考の流れ、感情のざわめき

わたしはその中だった

 

エゴという言葉のイメージは違う

日常に広く、深く影響している

止めどない思考の流れ、感情のざわめき

それに比べれば街の喧騒でさえも大人しい

 

着ていることさえ知らなかった

わたしは今、ヴェールを脱いで

静かな世界に佇み

初めて空を見るように見ている

 

 

 

空白

 

恋人がいても時間がなければ会えない

仕事があっても時間がなければできない

お金があっても時間がなければ意味がない

時間は豊かさに意義を与える

 

時間は豊かさの上位にある

それでもわたしには耐えられない

お金はいくらでも欲しい

時間は違う

 

物語を生きるわたしは空白に耐えられない

物語とは意識の世界、観念の世界

人間が与えた後付けの情報

意味、例えばあるべき姿

 

あるべき姿を生きる青年のわたしは

モラトリアムに耐えられない

あるべき姿を生きる老人のわたしは

退職後の自由に耐えられない

 

空白を前に物語を生きるわたしは落ち着きを失う

己に対する否定の感情、疚しさまでも感じている

それがいかに縛り付けているかを表している

存在の世界で自由で、意識の世界でわたしは縛られる

 

空白の中で落ち着きを取り戻す時

わたしの意識は存在の世界に帰る

存在の世界、そこはわたしの故郷

わたしは物語の住人から自然界の住人に帰る

 

 

 

進化論

 

必要に迫られていた

本当に何もなかった

自由があるところに

自由な世界というその事実に反して

わたしは自作のルールを置いたのだ

 

慣れるのも大変だったに違いない

ルールの外がいつもの世界で

中は仮想世界に過ぎないのだから

自作とはいえ、ひとまず受け入れたとはいえ

自由なわたしが縛られるのは、奇妙な感覚だったに違いない

 

それでも子どもがごっこ遊びをするように

訳もなく慣れてしまったのだろうか?

役を演じるうちに役に入り込んだ

いつしか夢中になっていた

自作であることも、ひとまず受け入れたことも忘れていた

 

そして何と!外側が消えていたのだ

没頭するうちにいつもの世界が消えていた

何という信念の強さ!何という適応力!

世界は内側の世界一つになってしまった

わたしは役そのものになっていた

 

さらに進化した、それは独自の進化

ルールに使われた

自作の道具がわたしの主人になったのだ

わたしは奴隷になった

時間、お金、習慣、伝統の

 

ルールは暴走した

自分の領域を勝手に拡げてしまった

ある種の振る舞いから心の中にまで

それ以上に驚いたのは

わたしがそれを受け入れたことかもしれない

 

「べき」「ねばならない」、あるべき姿

今度は実在しない観念がわたしの主人になった

あるべき姿から外れたわたしは自己否定するようになった

わたしは力を失い始めた

自ら隅へ追いやられてしまった

 

ルールが暴走したりするのだろうか?

わたしの中にいる者が虚構と幻影を見せたに過ぎない

見せただけでは済まない

わたしの心から自由を奪い

ありのままのわたしを奪ってしまったのだ

 

わたしは全部忘れてしまった

ルールの中身も

自作だったことも

役者だったことも

外側の世界も

 

 

 

ルーティン

 

これをするにはあれくらいかかる

面倒なことになる

これは敵わない

どうしてこんなことをしなければならないのか?

 

取り掛かる前はいつも難しい

何もしていない

何も見ていない

何も分からない

 

分からないうちから嫌気が差している

苛立ち始めている

逃げたくなって来る

わたしは幻を見て苦痛になっている

 

いずれにしてもやらなければならない、仕方なく取り掛かった

しばらくすれば薄れていた

いつの間にか忘れていた

わたしは事を終えていた

 

取り掛かる前の気の重さも、苛立ちも

わたしの判断も解釈も、現実とは違う

それでも恐れる時と同じように忘れる

わたしは何度も忘れ、何度も囚われる

 

 

 

突き破る

 

先の見えない不安

閉塞感は付きもの

今ここという点状を生きているのだから

難しさを感じる

抵抗感は付きもの

今ここが進化する世界の先端なのだから

 

息を止めて全体重を預ける

跳ね返りを感じながら

それを上回るように押しながら衝いて行く

そして耐力の限界を越えたところで突き破る

何をするにも突破する感覚は付きもの

楽になれるのは解放されたその後

 

わたしには足りない

それは幻想に過ぎない

完全という存在しない現実を、存在するように見ている

手持ちの少なさから不安になる

それは幻想に過ぎない

わたしは今のわたしで越えるのだから

 

やがて過ぎ去るとしても

またパブロフの犬となるのか、意図の支配下にするのか

天才と言われるバッターでさえも朝飯前で成し遂げた訳じゃない

何をするにも疲れる

たとえ天職であっても努力がいる

それでもわたしは楽にできると思っている

 

わたしの頭は当てにならない、わたしの感覚も

わたしは浅はかで鈍く、なかなか覚えない

歓迎しようじゃないか

突き破るための抵抗なのだから

クタクタになってもわたしは今夜また死に

あっちの世界で英気を養って、明日にはまた生まれるのだから

 

 

 

完全

 

進化という自然の属性から来るものだろうか?

不足を見る自我の属性から来るものだろうか?

本来のわたしの姿

魂の記憶から来るものだろうか?

 

わたしが完全を目指すのはなぜだろう?

その答えはわたしの段階で違って来る

わたしは不足を見ている段階

不足という存在しないものを存在するように見ている

 

実体はここにある、現れているものがここに

現れているものは厳かで力強い

ここにあるもの、ここにあるのはそれだけなのだから

このシンプルなことが分からない

 

現れているものをただ知ること、それができない

現れているものを現れていないものと比べる

わたしの空想から産まれたものと比べる

現れていないにもかかわらず、実在しないにもかかわらず

 

ここにある

他のない、ただここにあるもの

それを強く認識する時

わたしはここにいるわたしをただ受け入れる

 

何から引かれることのない、完全体のわたしとして受け入れる

わたしの念願の夢は遂に叶う!

今この瞬間にわたしは完全体のわたしになるのだ!

いや、完全も不完全もないわたしになる

 

 

 

力強いこと

 

過去へは行けない、未来へも行けない

ここではないどこかへも

いつも今ここを生きている

 

わたしは今ここにいる

わたしに問題があれば今ここにいない

だからわたしは大丈夫

 

順調な時も、最低な時も

全力疾走の時も、眠っている時も

中身は変わっても、わたしは今ここにいる

 

わたしにできるのはそれだけ

今ここにいることがわたしのすべて

これほど力強いことがあるのか?

 

どれほど惨めでも

どれほど憐れでも

どれほど絶望的でもわたしは今ここにいる

 

だからわたしは大丈夫

今ここにいること

わたしにできるのはそれだけ

 

 

 

風邪

 

どうやってお詫びをしようか?

昨日からそれを考えていた

それでも「できるところまではやっておこう」と続けた

驚いたことに今日の締め切りに間に合った

「不可能だろう」というわたしの考えと恐れ

それはまたしても現実には敵わなかったのだ

 

わたしは2、3日振りに解放されて横になっている

熱は少し下がった

それでも頭は熱く、首から下は寒気がする

わたしは頭上の小窓を開けた

夜風の下で頭を冷やし、布団を鼻まで被った

真っ暗な部屋から星のない夜空を見上げた

 

冷たい風が気持ちいい

澄んだ空気が美味しい

微かな雨音が心地いい

熱が2、3度上がるだけでこれだけ体は狂ってしまう

なぜか色んな顔が浮かぶ、見たことのない顔

入れ替わり立ち替わり、現れては消えて行く

 

どれも泣きながら何かを訴えている

そこにあるのは怒りか、悲しみか

意識が朦朧としているのか、本心の現れなのか

それはわたしには分からない

それにしても情報は少ないほどいい

真っ暗な部屋、星のない夜空、微かな雨音

 

世界がそこにあって、意識が映し出すのか

意識が創り出した世界なのか

それはわたしには分からない

意識の外には立てないのだから

いずれにしてもそれはどちらでもいい

わたしは情報の少ない空間で意識の世界を愉しんでいる

 

本当に上手くできている、どうしてこんなに馴染むのか?

わたしは地球が吐き出した空気を深く吸い込んで

体の中の熱い空気を吐き出した

抵抗のない重力がわたしを世界に繋ぐ

体は回復に向かって生きている

世界とわたしの境目が少しなくなった

 

情報は少ないほどいいものかもしれない

昼間はごちゃごちゃし過ぎて処理できない

バタバタしていてどこに生きているのかも分からない

思い通りになるかどうか

そればかりに囚われて浮き沈む

意識の世界を味わうにはシンプルなほどいい

 

 

 

神の戯れ

 

始まりを告げるカウント

闇を引き裂いた

怒涛のビート、ライティングの明滅

わたしの精神を追い詰める

流麗するメロディー、圧倒するカリスマ

激情で声を上げる聴衆

 

直撃した数多の小惑星

天地の終末と創造

火の星となる地球

マグマの海、原始大気

熱、鉱物、有機物

雨はやがてはまるごと大地を呑み込んだ

 

誕生と消失を繰り返した海

わたしたちの祖先はこの泥の中

温かい命のスープから生まれたのだろうか?

何もなかったこの場所に

ここまでのものを創り上げてしまった

まるで底力を見せつけられている

 

ヒトは命を生み出せない

単純な細胞でさえも創出は奇跡だと言う

他人事のように話しているわたしも分からない

なぜか生きている

生きているところにエゴがある

そのせいで「自分でしている」と思っている

 

誰も知らない

天才と言われた学者も名医も

あの神のような演者たちも、数万人の聴衆も

なぜか生きている

生きているところにエゴがある

そのせいで「自分でしている」と思っている

 

これは命の表現

あの演者たちも、聴衆も

そこで起きている事態も

何もかもすべてが命の姿

言い換えれば神の姿、これは神の戯れ

エゴになったわたしはそれを知らない

 

 

 

命の呼吸

 

呼吸

それはまるで命のうごき

ソファーで大人しくしている犬や猫の

からだが少し膨らんで元に戻るはやさ

 

呼吸

それはまるで命のうごき

葉っぱに留っている蝶々の

羽が閉じたり開いたりするはやさ

 

呼吸

それはまるで命のうごき

電線に留っているセキレイの

尾羽が上がったり下がったりするはやさ

 

呼吸

それはまるで命のうごき

ススキの肯き

すじ雲、飛行機雲のはやさ

 

呼吸

それはまるで命のうごき

寝室で眠っている子どもやあの人の

布団が少し膨らんで元に戻るはやさ

 

呼吸

それはまるで命の息づかい

命が生きている

この世界を、わたしたちを

 

 

 

家路

 

いかに効率よく収益を上げるか

それが肝心だ

ロスは命取り

そのためには情報収集すること

傾向を掴み、対策を立てること

シミュレーションしておくこと

もしもの備えは万全にしておかなければ

 

モンシロチョウがひらひら舞っていた

行ったかと思えば引き返し

また行ったかと思えば引き返し

ふらふら、ふらふらしていた

足元の蟻たちも、働き者かと思えば

ウロウロ、ウロウロしていた

彼らは仕事を終えて今夜も家路につくのか?

 

わたしは目論見が外れてあたふたしていた

ツバメはスイングする音楽

風を切って遊んでいた

「ピチュピチュ、ピチュピチュ」忙しそうに

雲雀はどんどん、どんどん上昇する

やがて姿はなくなり、声だけがしていた

彼らは仕事を終えて今夜も家路につくのか?

 

わたしは目論見が外れてイライラしていた

行ったかと思えば引き返し

また行ったかと思えば引き返し

ウロウロ、ウロウロしていた

思い通りには行かない

現実は厳しい

それでもわたしは仕事を終えて今夜も家路についた

 

 

 

 

どうせあの人はああいう人だから

どうしてあの人はいつもああなんだ

今度ああいうことがあれば、こう言ってやろう

そう思っていた相手に驚かされる

突然貰った優しさ、感心する一面、初めて知った相手

わたしは恥ずかしくなる

何も分かっていなかった

 

欲しくてたまらない

欲しがるほど手に入らない

要らなくなった時にやって来る

欲しい時には手に入らない

手に入った時は欲しくない

思いはいつも満たされない

現実は思いの外

 

子どもの頃の記憶

見上げた空に月がある

わたしが止まれば、月も止まり

わたしが追えば、月は逃げる

わたしが止まれば、月もまた止まり

また追えば、月はその分逃げる

わたしは追い付けない

 

理解した、マスターした、掴んだ

もうすぐ手に入る、もうちょっとで手が届く

そう思うとすり抜けた

いつまで経っても掴めない

考えることも、やることも

わたしの選んだ方はいつもダメで

わたしがわたしであることがダメなのだ

 

わたしは諦めた

すると向こうからやって来た

「ここにいるよ」と待っていた

わたしはほっとした

結局掴めない

現実は思いの外

それでも現実はわたしを見捨てない

 

 

 

躊躇

 

誰かの持ち物が羨ましく見えた

ようやく手に入るチャンスが訪れた時

一瞬の躊躇が起きた

なぜだろう?あれほど欲しがっていたわたしが

 

その違和感は本当に微かなものだった

それでも重大な違和感だった

本心は求めていなかった

その時になるまでわたしは気づけない

 

わたしは何も持てなかった

わたしだけが取り残された

それは誤解だったのかもしれない

わたしは本心に近づいて来た

 

「何かが違う、これじゃない」とかき分けながら

わたしの知らないわたしに

ありのままのわたしに

本当に求めていたものに近づいて来た

 

 

 

苦手なヒト

 

理解できない、共感できない

違いが、違和感が

苛立ちになっていた

わたしは誤解していた

違いが、違和感が

わたしを作っていたのだ

 

わたしの人生に苦手なヒトが現れる

違いを知る時、わたしは明確にわたしになる

広がったままの

ぼやけたままの

まだ自分を知らないわたしが絞り込まれ

わたしの核心は浮き上がる

 

怖いヒト

馬が合わないヒト

難しいヒト

よく分からないヒト

苦手なヒトほど

わたしの知らないありのままのわたしにする

 

 

 

本心のわたし

 

心の底

一番深いところ

残響している

本心の声

 

社会に馴染もうとし始めた頃

わたしは本心を忘れた

それでも響いている

エコーは消えない

 

労働に明け暮れている頃

一人前の社会人になろうとしている時

わたしの意識の下

本心も育っていた

 

生まれて来た理由

労働を越えたわたしの仕事は一体?

京都の街を一晩中、自問自答して歩いた

それは青年時代のわたし、本心のわたし

 

遂にあの日のわたしに出会う

生まれて来た理由

労働を越えたわたしの仕事は一体?

その答えが時を越えて立ち現れた

 

わたしの青写真と生命の青写真は違った

永い間準備をして来た

わたしの知らないところで

細胞が成長するようにわたしは育っていた

 

 

 

公園

 

子どもたちが笑っている

子どもはすぐに走りたがる

何が可笑しいのか

追いかけ合って、「キャッ、キャッ」と声を上げる

 

喜びはずっと素朴なものかもしれない

何かがなければ喜べない

大袈裟な何かがなければ

複雑になってしまったのかもしれない

 

わたしは笑わない

笑う方が難しい

悦びから離れ、光から離れて来た

それが間違いの証拠かもしれない

 

歳を取るほど離れてしまった

子どもはずっと近い

自然に近い

魂に近い

処世術は持っていなくても、ずっと原点に近い

 

原点を思い出す時に来ている

この顔と、この体と、この心で

形のあるこの世界でわたしを表現したかったこと

子どもの顔でここに来たこと

わたしは原点を思い出せるのだろうか?

 

 

 

警告

 

外ばかり見ている

見ているばかりかなろうとしている

時流、普通

あるべき姿

 

「べき」「ねばならない」に心を許した時

ありのままの心を失って行く

わたしがわたしでなくなって行くのだ

「わたしでなくなる」とはわたしの消滅に過ぎない

 

「ありのままの心に戻れ、ありのままのお前に戻れ」

サインは届いている、それでも外ばかり見ている

現実は楽になるばかりか深刻になっていた

それでも気づかないのだ

 

「そっちじゃない!そうじゃない!」

ただそのことを訴えるために

姿のないものは手荒な手段に出た

苦境や不運にわたしを導いた

 

いよいよ気づくのか?

その状況の意味

送られて来る警告

姿のないもの、あの世界のわたし

 

何をするのかではなく、ありのままの心を生きること

本心が、わたしの状態が現実を創ること

それとも気づかずにただ苦しみにのた打ち回り

外を見たまま消滅するのか?

 

 

 

スイッチ

 

終わりのない暗闇だった

今にして思えば誤解だった

わたしは他人と同じだと

先行く人が苦しめば、わたしも苦しむのだと

斜陽化する世界にいれば、わたしの未来も暗いのだと

わたしはそう思っていた

思いを越えて信じていた

 

ある時、気がついた

わたしはわたしで、他人ではないと

わたしと他人は違うのだと

たとえ薄情だと言われても

誰かの状態や置かれた環境と

わたしとは無関係なのだと

たとえ非常識であってもこれは事実だと

 

本心からの気づきが起きた瞬間、何かが変わった

そしてどこかで聞いた言葉が浮かんだ

「人生は思い通り」

わたしは「はっ」とした

あれは言葉の綾に違いない

思い通りではなく、正確には信じた通りだ

わたしは信じた世界を生きていたのだ

 

盲点が事実に照らされる時、瞬間的な気づきが訪れる

本心からの気づき

得心、腑に落ちる

これには特別な力を感じる

わたしの信念を瞬時に消し去る

わたしの世界を瞬時に変えてしまう

まるでスイッチのような役目をしている

 

 

 

意識 

 

完璧な闇、ここにいる感覚

あるのはそれだけ

それは中身のないいつもの意識

 

身が捩れるような経験と感情を魂は待ち焦がれていた

負の感情は降り積もる

わたしの殻が破れる、その時を狙って

 

主人公が替わる

あの闇にいたわたしがこの体を纏い、生きて行く

悠久の時を越えてようやく今がその時

 

「ああぁ、やっとここまで来られた」

わたしの深層から聞こえて来た

溜め息と吐き出された渇欲の声が

 

歳を取るとしか思わなかった

細胞は宇宙の鼓動に共鳴し

わたしの知らないところで粛々と仕事をして来た

 

意識は神の意志で成長し

わたしは世界に育てられてここまで来た

今、人類はエゴから目を覚まそうとしている

 

 

 

双子

 

ある日、世界が近づいて来て

わたしに一度きりの景色を見せてくれた

目の前にわたしがいる

いつものようにもがいている

側にもう一人、わたしが立っていて

もがいているわたしをじっと見ていた

何かのタイミング、わたしの魂の成長を見ていた

わたしにはもう一人、わたしがいた

世界にはこの世界ではない、あの世界があったのだ

 

振り返れば不可解ことがあった

やることなすこと上手く行かない

流されるだけ流されて、辿り着いた場所

導きのような人生の濁流

奇跡的に回避した絶体絶命の状況

「気のせいか」と思えた摩訶不思議な出来事

今、分かった

彼は痕跡を残していたのだ

わたしは彼の人生を生きていた、彼が用意した人生を

 

母の愛情と底のない忍耐力でわたしを導いて来た

片時もわたしから離れず、魂の成長を見て来た

そして最初で最後の姿を見せてくれたのだ

わたしには双子の兄弟がいた

この肉の眼には映らない

この皮膚では知り得えない

心得顔のわたしには分からない、もう一人のわたし

魂のわたしがいたのだ

世界にはこの世界ではない、あの世界があったのだ

 

 

 

全身全霊

 

自ら袋小路に入ってしまったのか?

それでも凄いところはそれが何であれ

信じた世界を生きることかもしれない

ヒトはどんなものにも適応してしまう

ここではないどこかに見たことのないユートピアがあると

それこそが幻を見せるエゴの正体だというのに

 

誰も気づかずに通り過ぎて行く

わたしたちには複雑で難解なものほど丁度よく

シンプルなものほど遠い存在かもしれない

この世界は大胆で、少し意地悪で、ユーモアがある

何の捻りもない剥き出しの事実が

まるでシュールなものとしてそこにある

 

全身全霊

その言葉がわたしの仕組みを表している

体のわたしと魂のわたし

全身全霊

それは一瞬のわたしと永遠のわたし

わたしの主は目には映らないわたし

 

燃やすものでも込めるものでもなく

果てるものでも尽きるものでもない

今までも、今も、これからもわたし

留まることを知らない、それはまるで進化し続けるこの世界

全身全霊

主を知ったわたしは全身全霊で生きて行ける

 

 

 

光そのもの 愛そのもの

 

布団を干そうと窓際へ行くと

そこには先客がいた

小さなカメムシが日向ぼっこをしている

申し訳ない、と思いながら

先客をそっと手の平に乗せた

すると光に向かって飛び立った

見えたのは一瞬で、すぐに光の中へ消えた

 

力に魅せられる時があっても

誠実さと勇気、強さと優しさ、光に魅せられて方向転換する

自分勝手な時があっても

このままではいけない、役に立ちたい、と軌道修正する

「争いは消えない」と口先で言っても、平穏な日々を望んでいる

うつむいたままでも、うずくまったままでも、横になったままでも

やがてはまた立ち上がり、光を目指して歩き始める

 

人は神に似ていると言われる、神は光そのもの

そう言えばわたしも光そのものかもしれない

人は神に似ていると言われる、神は愛そのもの

わたしは西日本の出身

愛、という言葉が気恥かしい

愛情、と滲ませれば少しはマシになる

そんなわたしが愛そのものか?

 

独り占めしたい気持ちがある、そうかと思えば分け合う

痛ましい事件に悲しくなる

幼い子が被害に遭う事件や事故は特につらい

子どもたちの声につられて笑顔になる

自分のことでもないのに応援する、手を貸そうとする

誰かのために買って帰る、他人の無事を祈る

そう言えばわたしも愛そのものかもしれない

 

 

 

無条件の愛

 

ならず者、聖職者

大食い、ベジタリアン

エリートコースを行く人、世捨て人

深刻な人、気楽な人

誰も裁かない、地球は溢さずに受け止める

 

科学の信者、オカルトの信者

心の力を信じる人、信じない人

向こうにいる神の信者、こちらも向こうもすべてが神の信者

神も仏も信じない人

選り好みしない、地球は溢さずに受け止める

 

異なる信念の世界、存在者の数だけ存在する世界

この世界とあの世界、一つも溢さない

全く違う、それでも繋いでいる

関係の中で生かしている、進化に向かわせる

わたしたちがそれを知らなくても

 

誰も裁かない、選り好みしない

世界は溢さずに受け止める

これが無条件の愛かもしれない

言葉を持たないからこそ

尚更、世界は愛そのものかもしれない

 

 

 

言葉

 

言葉の始まりはどこか?

その問いは謎めいている

意識を持ったのはいつか?わたしの始まりはどこか?

その問いと同じくらい謎めいている

もっとも不思議なのは、当のわたしに分からないこと

 

プードルとブルドッグと柴犬の違いから

どうやって同じ犬と認識したのか?

プードルとブルドッグと柴犬が同じで

アメリカンショートヘアは違うと

どうやってそれを認識したのか?

 

「あれがいぬ」と指差しで教わった時の

「あれ」をどうやって理解したのか?

「あ」でも、「れが」でも、「れがい」でもなく

「あれ」を知っていたのはなぜか?

指差しを理解したのはなぜか?

 

言葉を持たない者に言葉で言葉を教えるのか?

言葉を持たない者が言葉を理解するのか?

言葉の始まりはどこか?

わたしの中で湧き上がるように現れて、浮かんで、消えて行く

「浮かべる」と言うよりも、浮かんでは消えて行く

 

わたしは始まりを掴むことができない

始まりと終わりがある

わたしのこの考えに問題があるのかもしれない

わたしには分からない

気づけば言葉もわたしもここにある

 

 

 

完璧主義者

 

いつしか目覚めていました

どうやって目を覚ましたのでしょう?

目覚めるのは難しいことです

目が開いても始まりません

そこに意識がなければ世界になりません

どうやって体を纏ったのでしょう?

単純な細胞でさえも、創出は奇跡だと言います

マジックでも起きなければ生き物になりません

計画書も設計図もなく、生きた体にはなりません

体が動きます

意図してから動いているのか

意図すると同時に動いているのか

わたしの理解を越えた仕上がりです

 

有史以前からの進化計画です

永遠の時、ずっと準備をして来ました

ついに目を覚ますその一点を狙って

体を纏った気分はどうでしょう?

特等席からの眺めはどうでしょう?

吸い込んだ空気の匂いは

重力の感触は

永年練りに練った力作揃いです

死ぬまで停止しません

精密に作られた心臓の鼓動は

臓器を持った気分は

意識がもたらす世界は

完璧な世界を所有する気分は

 

過酷な戦いでした

あなただけが全勝しました、他は死にました

厳密には生まれることさえできませんでした

生まれるには100%でなければなりません

誕生は完璧な勝者に与えられた特権です

宇宙創世以来、無数の選択肢がありました

あっちを選べば生まれない選択肢も無数にあったのです

それにもかかわらず間違えませんでした

たったの一度も、です

だから体を纏い生まれて来ました

あなたは選ばれし者です

生きている気分はどうでしょう?

誕生できたあなただけの気分です

 

誕生以来、無数の選択肢がありました

あっちを選べば死んでいた選択肢も無数にあったのです

それにもかかわらず間違えませんでした

たったの一度も、です

だからあなたは生きています

あなたは選ばれし者です

生まれる前も生まれてからも完璧です

これからはどうでしょう?

これからもそうかもしれません

生まれる前から完璧だったのですから

たまたま勝ち続けた?偶然に全勝した?

たまたまや偶然などあるのでしょうか?

たまたまや偶然が存在できるほど宇宙は容易いのでしょうか?

 

 

 

思い出

 

嘘を吐くこと、嘘も方便まで知っている

真剣であること、楽しむこと

勇気を出すこと、努力すること

過ぎてしまえば及ばないこと

 

美しさ、強さ、優しさ

それらを求めること

大切にすること、粗末にすること

時にはウマくやること

 

何が良くて、何が悪いのか

何をすればいいのか

どこへ向かえばいいのか

わたしはそれらの価値と意味を知っている

 

辺境の銀河に生まれたひとつの生命体が

細胞の蠢きがここまで知っている

道徳やルールを越えて知っている

習うことで、経験することで知って行く

 

初めは何も知らない、真っ白なはずのわたしは

知るうちに知っていたことを思い出す

持つうちに持っていたことを思い出す

何も持たない者が理解できる訳がない、できる訳がない

 

 

 

天才

 

倦怠の泥沼、鉛のわたしはどこまでも沈んだ

終いには泥になり

虚ろに熱っぽい空気と吐き出した

「このままダメになっても構わない」

そこに光が射し込んだ

雲の切れ間から射すように、霧が晴れるように

光はゆるやかでささやかなもの、それでも抵抗できない

寒い朝の陽射しのようにわたしは反応している

 

素晴らしい音楽は自然と似ている

わたしと、わたしの世界を変える

凄いのは素晴らしい音楽家で、わたしかもしれない

作曲できないだけで、演奏できないだけで

理屈を知らないだけで、わたしは知っている

素晴らしい音楽家と同じものがある

凄いのは知っていること

わたしの理解を越えて、わたしが理解していること

 

天才と凡人の差は何だろう?

天才の音楽が、絵が、詩が、世に出るのはなぜだろう?

かけ離れていれば埋もれている

同じものがわたしたちの中にある、わたしたちの中にすべてが

それが神と似ている所以かもしれない

わたしたちの中にあるものが待っている

形の世界が待っている

引き出してくれる時を、形になるその時を

 

 

 

自分を知る

 

本能であり、特権であり、仕事かもしれない

わたしは自分を知ろうとする

わたしが生まれた意味、わたしの適性

わたしの仕組み、心と体、わたしのルーツ

 

意気込んだものの、雲行きは怪しくなる

暗礁に乗り上げる

退屈になって来る

苦痛になって来る

 

「分からない」

それは自分の大きさに対する気づきかもしれない

存在の大きさを前にわたしは無力になる

それでもそこにいるのはわたし

 

あまり深刻になるのも可笑しい

背後にあるものに気づけば、俯瞰することができれば

独り、相撲を取るのも奇妙なことなのだから

わたしを通して自分を知ろうとしているに過ぎない

 

自然は科学を通して自分を知ろうとする

世界はヒトを通して自分を知ろうとする

わたしも世界も同じ、自分を知る

そのために形を持ってやって来たのかもしれない

 

 

 

新芽

 

珍しくテレビが気になって、わたしはふと目をやった

農夫がトラクターに乗り込んで、雑草を刈って行く

刈られた雑草の下、何と新芽が育っている!

新芽の高さは安全域

雑草は知っている、いつ、誰に、何で、どの高さで刈られるのか

知らなければ新芽を守れない、次に備えることはできていない

 

「自然は素晴らしい」

ヒトは自然のサイクルを称賛する

それはどこか他人事で

切り離せないものから自分を切り離している

どれほど文明が進んでも、ヒトはサイクルの内側

トラクターも、農夫も、わたしもサイクルの一部

 

農夫は気づかない

そこにわたしの心は動いた

ヒトには自由意志があり、エゴがある

そのせいで自分でしていると思っている

それは極めて狭い領域

意識の届かないところでわたしたちは全体を作っているのだ

 

雑草に意識があるのか?

あの雑草を育てた土や太陽にも

あの新芽を育てているすべてのものにも

何もなかったとしたら、あの日、あの瞬間に、あの場所に

新芽を準備することなどできていないのだから

あるいはそれぞれの意識を越え、起きるべくして起きているのか?

 

 

 

送電線

 

等間隔に止まって行く

後から来た者がその間に入って行く

大所帯で収まりが悪い、一段下に止まる者もいる

結局70羽ほど集まって、集まったかと思えば

誰からともなく飛び立ってしまった

群れと言うほど纏まりはなく、バラバラと言うほどでもなく

 

ツバメはそれぞれを生きて全体を生きている

連絡を取り合って、落ち合ったりはしない

それぞれが子育てを終え、どこからともなく合流し

一時を共にして、また群れから離れて行く

それは細胞の情報が為すものだろうか?

産まれて間もない馬が立ち上がろうとするのと同じように

 

群れを生きるものは自分を生きて、全体を生きている

全体というひとつの生き物にもなれる

それはムクドリの群れを見ても明らかだろう

わたしたちもそれぞれを生きて、全体を生きているのかもしれない

意識は離れても無意識の全体を生きている

だからこそ方向性を持てたのだろう、進化というひとつの方向性を

 

わたしたちのエゴは随分膨れ上がってしまった

全体との繋がりを意識の上で断つことに成功した

エゴが小さくなればまた全体と繋がれる

意識の繋がりを取り戻すことができる

人々の意識が全体と繋がる世界、それは確かに存在する世界

太古の人々が生きた、わたしたちにはこれからの世界

 

 

 

一つに

 

自由意志をもらい、自我を与えられたわたしは

全体から見れば暴走して来たのかもしれない

わたしを生んだのは誰だろう?

わたしを生かしているのは誰だろう?

わたしに体をくれたのは、心をくれたのは

 

良心をくれたのは誰だろう?

悦びの感情をくれたのは

違いをくれたのは

他にはないわたしにしてくれたのは

それは自然、世界かもしれない

 

世界を一言で表現するなら何だろう?

悠久の歴史、わたしたちの文明

拡大する宇宙が

わたしたちの想像力で物語る

それは創造の力、進化そのもの

 

わたしが本心から生きる時

わたしが良心から生きる時

わたしが悦びから生きる時

わたしはありのままのわたしになる

自然と、世界と一つになる

 

わたしがありのままのわたしを生きる時

違いを与えた側の意図が果たされ

わたしは世界に一つを生きている

ありのままのわたしが創造的に生きる時

わたしは全体の意志と一つになる

 

 

 

帰属

 

自分のものにも、隠しておくこともできない

生かすものが許さない

それは生かすものに属する

 

秘蔵の作品や書簡、日記がある

他人の手が入り、世に出る

「作者の意向が汲まれなかった」と言われる

 

生かすものは良心と同じかもしれない

価値のあるものは広まる

恩恵は広く行き渡り、必要なところに届く

 

誰かの光になる

誰かの種となって育ち、作者の意図を越えて拡がる

世界はまた進化する

 

自分のものにも、隠しておくこともできない

生かすものが許さない

それは生かすものに属する

 

 

 

背後にあるもの

 

わたしの背後にあるもの

創造の力、進化する力

目には映らない生命の漣

 

実体には及ばない歴史でも証明するには十分だった

創造、矛盾、解体、創造

至る所で繰り返されても、停止も後退もしなかった

 

見えないものから見えるものへ

時空、大気、天体、細胞、文明

生命は形になり、形を生きて、形を築いた

 

ここに今までのワタシはいない

背後にあるものがわたしを生きて

形の世界に新たな形を構築し、創造は続いて行くのだ

ささげもの3

1それでもいいのに 2日常 3天体 4さすらい

5ここはどこ わたしは誰 6理屈を生きる 7名前 8リンチ

9バラバラ 10ギリギリ 11当てにならないもの 12不調和

13毒 14空を見ない 15天邪鬼 16誰も知らない 17接するには

18幼子 19誕生日 20物 21至れり尽くせり 22乗り物 

23分裂 24神妙 25ひとつ 26姿 27キャンバス

28優秀 29砂上の楼閣 30飽き性 31自然を生きる 32寵児

33遠ざける 34小さな過ち 35元からいた場所 36進化

37礎が替わる時 38無風 39たまゆら 40降りて来る 41馬

42魂について 43命の重さ 44視点

 

 

 

 

 

 

それでもいいのに

 

出会わなくてもいいのに

浮かばなくてもいいのに

思い出さなくてもいいのに

 

眠れなくてもいいのに

覚めなくてもいいのに

昨日のままここになくてもいいのに

 

宿題も仕事も

渋滞も袋小路も

終わりがなくてもいいのに

 

太陽も水も

空気も重力も

不十分でもいいのに

 

育たなくてもいいのに

止まらなくてもいいのに

治らなくてもいいのに

 

助けがなくてもいいのに

許しが出なくてもいいのに

未知の脅威に奪われてもいいのに

 

誰もいなくてもいいのに

伝わらなくてもいいのに

優しさがなくてもいいのに

 

「それでもいいのに」を付ければ

どこか違って見える気がします

 

 

 

日常

 

今日も汗だく

青い空、ギラギラした太陽、白い月

職場はその間

わたしは地球の営業マン

 

太陽と月はそこにある

金星は「明けの明星、宵の明星」と呼ばれる

火星と水星と木星と土星も実は見える

それでも遠い天体

 

金星の日はウキウキする

土星の日と太陽の日はみんなが大好きで

月の日は少し憂鬱になる

 

火星の日は散髪屋の定休日

水星の日はスーパーの特売日

木星の日は歯医者の休診日

 

太陽と月と金星は馴染みがある

火星も水星も木星も土星も実は身近にある

それでもやっぱり遠くにある

 

 

 

天体

 

待ちに待った連休

予定はすべて埋めた

行ったことのない所へ行く

できるだけ遠くに、できるだけ新しい所へ

わたしの目は釘付け

テーマパーク、リゾート、レジャーに夢中

 

わたしは幸せの形を追いかけた

わたしの存在は広大な宇宙に生きても

わたしの意識は手狭な物語を生きている

わたしには実在する世界が見えない

天体に生きている事実が見えない

そんなわたしは夜空を見ない

 

プラネタリウムと同じか

プラネタリウムよりもつまらない

わたしには名前と物語の付いた星座

実体がないかもしれないその命の面影は

わたしには見えないのだ

わたしの意識の外側で太古の輝きが消え残る

 

 

 

さすらい

 

根っからの旅人です

生涯旅をします

瞬間の中で初めての場所を訪れます

わたしに二度目はありません

帰る場所はありません

 

わたしは地球に乗って銀河を旅します

太陽や月、仲間の天体と一緒に

銀河の旅は帰らない旅です

一周に2億2000万年以上もかかるのですから

銀河もわたしを乗せて宇宙を旅します

わたしはずっと宇宙を旅しているのです

漂流していると言っても構いません

 

太陽が東から昇って西へ沈みます

同じ場所に戻って来て、また一日が始まります

それは不可能なのです

一年が過ぎて

同じ場所に戻って来て、また一年が始まります

それは不可能なのです

わたしは瞬間の中で、初めての場所で、初めてを生きます

 

「何年に何度目の」ということはありません

彗星も日蝕も月蝕も

ニュースにならない日もそれっきりです

成人式だけが一生に一度ではなく

この瞬間も一生に一度なのです

 

わたしは流れます

後戻りを知らない流れです

もう一回を知らない流れです

停止を知らない変化です

それを知っているのはわたしの思考と感覚です

 

屁理屈、非常識、変わり者、何でも構いません

旅を愉しみたいだけです

生まれて来られた特権を行使したいだけです

意味や名前といった後付けの情報

当たり前や常識といった物語

そこから離れて世界を味わいたいだけです

それを可能にしてくれるのは何の変哲もない解釈の少ない事実です

 

 

 

ここはどこ わたしは誰

 

どこにいるのか?

と言っても基準がなければ分からない

全体が分からないのだから基準を作ることもできない

わたしはこの宇宙のどこにいるのか?

 

どこから来て、どこへ行くのか?

心と体はどうなっているのか?

ここにいるのはなぜなのか?

わたしは誰なのか?

 

どこから来て、どこへ行くのか?

この世界はどうなっているのか?

世界があるのは、進むのは、拡がるのは

それが可能になるのは

 

科学は答えてくれるのか?

単純で肝心なことが分からない

それでもわたしは心得顔

「分からないことは気味が悪い」とまで言ったのだ

 

わたしには良心がある、それでもそこにあるのは

「べきもの」でもなければ「ねばならないもの」でもない

わたしには信じられない

口を衝くほど「べき」「ねばならない」は存在するのか?

 

何も分からないわたしとこの世界に

絶対的なそれが存在するのか?

「べき」「ねばならない」を見るのはなぜなのか?

必要以上に引き受けるのはなぜなのか?

 

わたしの中の何がそれをさせるのか?

見るべき、知るべき

読むべき、驚くべき

ああ、また言っている、度が過ぎる

 

 

 

理屈を生きる

 

実体に存在するのか?

「何々主義」「何々イズム」が

「何々主義」「何々イズム」が

実体にしているのか?

 

世界を、現実を、実体を

「何々主義」「何々イズム」が動かしているのか?

人間だけで作り得るのか?

人智を越えた命の繋がりがなくても

 

理屈の美しさに魅せられた

世界情勢を分析する専門家のその巧みな語り口にうっとりした

わたしは理屈を通して世界を見た

理屈の世界を生きた

 

「科学的根拠はあるのですか?」

得体の知れないものを突き付けられて、すぐさま反論した

わたしの科学は完成品

科学的根拠があれば納得し、ないだけで退けた

 

科学が世界を作り、医学がわたしを作った

いや、世界が科学を作り、わたしは理屈を越えて生まれた

それでもわたしは理屈を見た

理屈の世界を生きた

 

 

 

名前

 

「枝」と言った時に分離した

枝でないものが枝になり、枝とその他になった

名前を付けた途端に分離した

繋がりのあったものが切れた

仕方がない、名前がなければ説明できないのだから

 

名前を付けた途端に別物になった

実体から離れ、事実から離れ

嘘になった

それでも気にならない

わたしは分離に慣れていて、不実を事実とすることに慣れている

 

嘘を嘘と認識する必要がある

名前も実体を解釈するための理屈も

実体とは違うのだと、現実とは違うのだと

わたしにはその強い自覚が要るのだろう

さもなければわたしは信じた世界を生きる

 

名前も理屈も実体とは違う、現実とは違う

それでも気を落とすのも可笑しい

過不足なく表現できないだけで

把握できないだけで、コントロールできないだけで

実体も現実もここにある

 

 

 

リンチ

 

わたしの良心を利用し、支配の手段に使ったのだ

「本来、すべきだったのではないですか?」

「本来、あってはならないことです」

「本来、しなければなりません」

 

そこにあるのは良心に見える、それでも動かすものは違う

抑え付けたい、支配したいという欲求に過ぎない

そこにあるのは道徳に見える、それでも動かすものは違う

事実ではない、自明に隠れた嘘に過ぎない

 

本来から外れたものを「本来」と言った

「べき」「ねばならない」から外れたものを

「べき」「ねばならない」と言った

真でも何でもないものを「真の」と言った

 

本来とは何か?

「べき」「ねばらない」とは何か?

「真の」とは何か?

自我になったわたしが自分の“間違い”に目を向けたりはしない

 

嘘を吐いてまでも支配したいのかもしれない

意識の届かないところでわたしは裁こうとした

裁判官でもないわたしが

法を犯した訳でもないその人を

 

 

 

バラバラ

 

「心の力を信じない」とわたしは言った

それでも言った

「誠意がない、思いやりがない」

「意気込みが感じられない」

 

「見えないものは信じない」とわたしは言った

それでも言った

「恥をかかされた、自尊心を傷付けられた」

「蔑ろにされた」

 

「科学的根拠のないものは信じない」とわたしは言った

それでも言った

「薄情な奴だ、愛情が無くなった」

「寂しい、わたしを信じて欲しい」

 

言うこともすることもバラバラ

その上、自覚もない

わたしは心の力を知っている

見えなくても、科学的根拠がなくても信じている

 

 

 

ギリギリ

 

足りなければ不安になる

お金も時間も知識も経験も

豊富に持っておきたい

それを言うのはわたしの思考と負の感情

 

豊富に持っておきたい

それでもギリギリ

夏休みの宿題のように、平べったいヤモリのように

わたしはギリギリですり抜ける

 

ギリギリ、というわたしの解釈が可笑しいに違いない

過不足がないためにギリギリに見えているのだろう

思い通りではなくても、スムーズではなくても

わたしが全力でする時、今のわたしですり抜ける

 

ギリギリであろうと現実は当てになる

わたしの思考と負の感情よりも当てになる

現実は現れているものであり

思考と負の感情は現れていないのだから

 

 

 

当てにならないもの

 

思考は言う

後戻りせずに

スムーズに

思い通りに

 

現実は違う、それでもわたしは進む

進むために必要なものだったからに違いない

だからわたしは進む

思考はそれを知らない

 

負の感情は言う

後戻りせずに

スムーズに

思い通りに

 

現実は違う、それでもわたしは進む

進むために必要なものだったからに違いない

だからわたしは進む

負の感情はそれを知らない

 

 

 

不調和

 

もっと食べたい、もっと飲みたい

美味いものが、いろいろ、目一杯

頭は何がいいか知っている、あるいは知っているつもり

体は完璧に知っている、それでも大人しい

 

頭でも体でもない、喧しいのはわたしの欲求

頭でも体でもない、それでも仕えるのはわたしの欲求

わたしはお腹を壊してしまう

吐き戻してしまう

 

「もうダメだ、これ以上はマズイ!」

大人しい心と体も遂には音を上げた

「そうは言ってもダメだ、辞められない」

社会人としての自覚と覚悟と責任において

 

心と体を置き去りにわたしでいられるのか?

それでもわたしは理屈に許してしまった

その方がまだマシだと

そしてわたしはなぜか壊れてしまった

 

欲求が頭と体に調和しない

頭が心と体に調和しない

欲求と頭がわたしに調和しない

心と体は調和する、調和も何もそれはわたし

 

 

 

 

酒に呑まれる、薬に溺れる、ギャンブルに狂う

暴食する、妄信する、自棄になる、自傷する

わたしの欲求、思考、信念、行動がわたしを奪う

わたしには毒がある、自身に向けられた毒が

 

何よりも怖いものにわたしの悪性細胞がある

わたしは爆弾を抱えている

それでも部分に向けられたものかもしれない

全体に向けられたものがある

 

感触のない薄皮のようにわたしに貼り付き

わたしの意識の下でわたしから奪ったのだ

わたしの可能性、わたしの人生、わたし自身を

わたしには毒がある、自我という先天性の毒が

 

 

 

空を見ない

 

帽子を目深に被り、下を見ている

下も見ていない

起きていないことを見ている

起きるかどうかも分からないことを見ている

失ったものを見ている

ないものを見ている

 

ないものは見えない

それでも見ている

ないものを見て喜ばない

苦しんでいる

あなたは気づかない

自我になったあなたには何のことか分からない

 

吸い込まれそうな青い空に言葉を失う

存在の世界はそこにある

それでもあなたには見えない

あなたはないものを見ている

意識の世界を生きている

そんなあなたは空を見ない

 

 

 

天邪鬼

 

楽しそうな人たち

声の大きな人たち

遊ぶ人たち

彼らを遠巻きに見ていた

 

「それどころではないのだ」頭の中でそう呟いて鼻で笑った

それはどこか大義名分のようで

自分を守るためのいい訳にも聞こえた

無邪気な声に自分にないものを感じていた

 

どこか笑いを否定している

どこか遊びを否定している

どこか喜びを否定している

深刻なものに近づく方が楽になっている

 

「こっちに来ないか?」

彼らが声を掛けてくれた

一瞬動揺した

それでも微かに抵抗するものがいて、わたしは丁重に断った

 

わたしは薄々気づいている、それでも見当は違う

性格、心掛け、境遇のせいとは思えない

言い訳に聞こえても悪いのは乗っ取っている方かもしれない

わたしではなく、自我の方かもしれない

 

 

 

誰も知らない

 

生き血を吸う者にも違いがある

己を知る者はわきまえる、知らない者は奪い尽くす

それは寄生虫であることを知らない寄生虫

悪性細胞と似ているのかもしれない

 

彼らは知らない

奪うほど自滅することを

奇主なしに生きられないことを

奇主の存在を

 

それはわたしの自我と似ている

己を知らない上に傲慢で、浅はかで

負の感情と思考を通してわたしに苦しみを見せる

わたしが苦しみに同調する時、自我は太り、わたしは痩せる

 

自我はまさに自我そのもので

欲望のままに暴食する

そして完食する頃に消えていなくなる

何も知らずに自我も、わたしもいなくなる

 

自我は知らない

奪うほど自滅することを

奇主なしに生きられないことを

奇主の存在を

 

わたしは知らない

同調するほど奪われることを

自我になってしまうことを

自我の存在を

 

 

 

接するには

 

睨みつけても、怒鳴りつけても、ブツブツ言っても

狙いは外れてわたしに返っている

わたしは意識の下で笑われる

負の感情から接すれば

わっとなって終わる、悲嘆に暮れて終わる

感染って終わる、喜ばれて終わる

 

子どもが犠牲になるような痛ましい事件も

腐敗する政治も

日常の理不尽な出来事も

負の感情から接すれば消える

解決に向かうはずのエネルギーも

記憶からも消されてリセットされる

 

問題に直面する

直接ではなくても小さくても接点がある

考えが浮かぶ、できることがある、実行する

地球に生まれたわたしの仕事

それは行動かもしれない

本心からの微かな要求を行動に移すこと

 

自我から接すればわっとなって終わる

時間がない、お金がない、あれがないからできない

ないものを見て終わる

思い当たる節があったとしても

認めることもできずに言い訳をして終わる

ただ太らせるだけで終わる

 

 

 

幼子

 

手足は悦びのままに遊ぶ

「べき」「ねばならない」がない

感情と振る舞いがひとつ

心と体がひとつ

 

他を知らない

わたしを知らない

分けることを知らない

ひとつを生きている

 

自然そのもので、世界そのものを生きている

「ねばならない」を付けるのは相応しくなくても

敢えて言いたくなる

「大宇宙に生まれた者、ああでなければならない」と

 

美しい時は束の間

意識は分離を始める

自分を生きるようになる

「こんなにできた」とアピールするようになる

 

比較の中で自分を知る

意識の中で繋がりが途切れ、孤独を感じるようになる

苦しみの始まり

もう大人の仲間入り

 

 

 

誕生日

 

今日はわたしの誕生日

敢えてわたしを作ってくれた人に感謝をする日

手取り足取り教わる、背中から教わる

出来事から教わる

 

わたしの人生に色んな人が現れる

現れて、わたしを作って、去って行く

彼らの意図を越えてわたしは受け取り

わたしの意図を越えて誰かに与える

 

人間は人と人の間で生きている

道徳的要求を越えて関係性で生きている

それはこの世界の仕組み

他に選択肢のない事実

 

世界はコントラストでできていると言う

対照的な一方を知ることで初めてその反対を知るのか?

わたしを捕らえて離さなかった幻、孤独感

わたしはその対照を知るために孤独感を知ったのか?

 

孤独感の反対は何だろう?

関係の中に生きる感じ、全体の中に生きる感じ

一体感とでも言うのか?

幻の反対は現、感覚はようやく現実を生きるのか?

 

 

 

 

わたしが起きると朝刊は届いていた

辺鄙な我が家に電気とガスが来ていた

蛇口を捻れば水が落ちた、外に出れば道ができていた

信号や道路標識が立っていて

バスや電車を乗り継いで行きたい所へ行けた

 

混沌としたところに秩序が与えられ、きれいに整えられた

全部誰かがしたこと、全部誰かの仕事

色んな人の思い、ドラマでできていた

身に付けている物、住んでいるところ、わたしが使う物

全部誰かの発明で、全部誰かが作った物

 

よく見れば日用品も質が高い

三次元の立体物

それでも対称的で歪みがなく、必要な形で必要な仕事をする

あるべくしてある色とデザインを纏い

磨きを掛けられてなめらかに艶を放つ

 

わたしの意識が届かないところへ届いている

精通した人たちの知識と技術、それに捧げた人生が

野菜、果物、魚、鶏、豚、牛

調理されたもの

誰かが作ってわたしは食べた

 

わたしは物を食べ、物を着て、物に住み、物に囲まれる

物の後ろに人がいる、知らない人生がある

途切れたことのない命の繋がりがわたしを繋いでいる

それでも見えない、囲まれているにもかかわらず

だからわたしは孤独を感じている

 

 

 

至れり尽くせり

 

みんなは知っている、わたしは知らない

みんなはできる、わたしはできない

みんなは完璧、わたしは不足

それでもわたしは特別

 

みんなは知っている、それでも黙っている

わたしは知らない、それでも煩い

みんなはできる、完璧に、それでもひたむき

わたしはできない、足りない、そのくせにサボる

 

みんなはそこにいる、仕事をしている

わたしはそれを知らない、知っただけで立ち騒ぐ

みんなは寝ずに働く、文句も言わない

わたしは毎日寝る、それでも不満ばかり

 

細胞が働いて、微生物が働いて、体が働いて、わたしは生きる

地球が働いて、太陽が働いて、宇宙が働いて、わたしは生きる

見知らぬ場所の、見知らぬ者が働いて

人類の知らないところでわたしは生きる

 

至れり尽くせり

それでもわたしは知らない

そんなことさえ知らない

そんなわたしが何を知るのか?

 

それがあるから生きているというのに

知りもせずに生きていて、知っただけで立ち騒ぐ

騒ぐ前にやることがある

ただ厳かに現実を知るということ

 

 

 

乗り物

 

体が生きている、わたしの理解とは無関係に

わたしの自覚を越えて、わたしの意図を越えて

 

生きている体にわたしがいる

体はまるでわたしの乗り物

 

人生は流れる、過去から未来へ

時の流れの中で出来事は展開する

わたしの理解とは無関係に

わたしの自覚を越えて、わたしの意図を越えて

 

人生の流れの中にわたしがいる

人生の流れはまるでわたしの乗り物

 

世界は進化する、過去から未来へ

時の流れの中で出来事は展開する

わたしの理解とは無関係に

わたしの自覚を越えて、わたしの意図を越えて

 

進化する世界にわたしがいる

進化する世界はまるでわたしの乗り物

 

全部わたしの理解と自覚と意図を越えた乗り物

それでも怖がるのは可笑しい

全部わたしの理解と自覚と意図を越えてわたしを生かし

わたしを守り、わたしを成長させるのだから

 

 

 

分裂

 

ゼンマイが止まるまでただ動いている訳ではない

バッテリーのような寿命を消費している訳でもない

停止するまでたまたま生きている訳でもない

細胞はどこかへ向かっている

それぞれの細胞はそれぞれを生きて

全体は確かなどこかへ向かっている

わたしがそれを知らなくても

 

確かなどこかへ向かわなければわたしがまず成り立たない

細胞は拒絶し合い、反乱を起こすだろう

それ以前に物体になることさえできていないだろう

世界も同じ

それぞれがそれぞれを生きて

全体は確かなどこかへ向かっている

だから繋がりとして生きている

 

わたしの細胞も犬を散歩しているおじさんも

隣の猫も地球も太陽も

地球や太陽に影響を与えている未知の世界も

全体は確かなどこかへ向かっている

そうでなければ成り立たない

犬と猫が、あるいは犬とおじさんが殺し合い

太陽は地球を焼き尽くすだろう

 

自我は繋がりを知らなくても繋がりを生きている

全体という自覚を越えた生き物を生きている

形という違いを越えたひとつを生きている

確かなどこかは生存であり、成長であり

進化であり、拡大かもしれない

人類の軌跡に拠れば確かなどこかはより優れたものであり

より愛情に近いものかもしれない

 

わたしは細胞の集まりで細胞の分裂

分裂から考えればひとつを生きているのは真っ当なこと

ひとつから分裂したものがたくさんあるように見えている

色んな形をしたものが無関係に見えている

独立できるように、独立しているように

独立して生きているように

自我になったわたしにはそういう幻想に見えている

 

 

 

神妙

 

休憩かと思えば訪問者だった

お茶を持って別棟へ、そろり、そろりと

毛虫かと思えば三毛猫だった

草むらから車の下へ、そろり、そろりと

 

青虫かと思えばカマキリだった

白線に沿ってやって来る、そろり、そろりと

綿虫かと思えば蝶々だった

領域のない空から空へ、羽を伸ばしてひーらひら

 

ウインカーはチカチカ、チカチカ

社用車が滑り込んだ

カマキリはのけ反った

買い物に来た訳でもなく、営業マンはこっそり寝た

 

「アー、アー、アー、アー」カラスが声を上げた

蝶々は少し遠慮した

「おーい!おーい!」酔っ払いが声を上げた

カラスが飛び立った

 

車を取りに従業員が駆けて来た

猫が飛び出した

社長さんはお見送り

お互いに会釈して、そろり、そろりと

 

 

 

ひとつ

 

停滞を知らない

後退を知らない

もう一度を知らない

限りを知らない

知っているのはわたしの思考と感覚

 

瞬間の中で初めての形になり

瞬間の中で初めてを経験し

瞬間の中で拡がり、進化する

完全な無から有は生まれない

ひとつは知らない、始まりも終わりも

 

ひとつから生まれる

ひとつから分裂する

ひとつから拡がる

ひとつから進化する

出所はひとつ

 

名前はそれを指す仮のもの、ひとつは多くの名前を持っている

ある人はエネルギー

ある人は命

ある人は神

ある人は意識と言うのかもしれない

 

ひとつは向こう側にあるものか?

動物、植物

鉱物、人工物

眼には映らない形、可能性

ひとつから外れるものがあるのか?

 

 

 

姿

 

風は目に映らない

それでも姿を持っている

揺れるカーテンが、遊ぶ草花が、流れる雲が

その姿を表している

 

思いは目に映らない

それでも姿を持っている

わたしたちによってもたらされた物が、洋服が、高層ビルが

その姿を表している

 

電波は目に映らない

それでも姿を持っている

わたしが言わなくても

誰もがそのことを知っている

 

エネルギーは目に映らない、命も神も目に映らない

それでも姿を持っている

わたしたちの営みが、わたしたち自身が、この世界自身が

その姿を表している

 

 

 

キャンバス 

 

今ここに生きている

今ここの連続に

今ここはまるで流れのない時間

時が止まった空間の重なり

無限の立体キャンバス

 

世界に一つが生きている

細胞の蠢きのように、世界に一つの経験で

無限の立体キャンバスを埋めて行く

細胞の蠢きのように、モザイク画のように

瞬間の中で初めての絵になる

 

全体は生きている

今ここで初めてを経験し、細胞の蠢きのように進化する

同じ存在の、同じ経験では進化しない

違いを持った存在が違いを生きている

その理由はここにあるのかもしれない

 

 

 

優秀

 

優秀であることは凄い

優秀であることは難しい

それでも優秀は違う

自然の姿と似て非なるもの

 

優秀であるよりも与えられた属性を

わたしであり、あなたであることを

他にはないということを

その事実を

 

わたしたちは上へ上へ伸びて行く

それは自然の属性、わたしたちは進化そのもの

優秀は自我の属性

自然に、進化に「誰かよりも」は要らない

 

 

 

砂上の楼閣

 

倫理観の問題か?

手を抜く、誤魔化す、監視がなければできない

わたしがわたしであればわたしの仕事をする

わたしの仕事であれば手を抜かない

誤魔化さない、監視は要らない

 

放っておかれてもやる

倫理観からやる訳でも責任からやる訳でもない

厳密に言えば誰かのためでもない

それこそ倫理観に反するかもしれない

それがしたいからする

 

本心が求めるからする

それをする時は没頭する

過去も未来も、今ここではないどこかも

誰かも、自分さえも入る余地がない

その時、質は高まる

 

本心が教える

良心が教える

悦びの感情が教える

自然が与えたものがわたしに教える

ありのままのわたしを、わたしの仕事を

 

礎にしたものが間違っていたのかもしれない

誰もが同じであるという

その不実を礎にしてしまったのかもしれない

わたしたちは自然に帰る時に来ている

自然、そこは事実の世界

 

 

 

飽き性

 

奥底から衝き動かした

成長したい、もっと上を目指したい

道徳心でも自我でもなく

それはわたしの最深部、本能からやって来た

 

高い所から見てみたい

違った景色を見てみたい

同じような景色はうんざりする

わたしは飽き性

 

わたしもこの世界の子ども

同じようなことはやっていられない

自分の中で終わりが来れば別れが来る

それは少し寂しく、勿体ない、それでも自然の姿

 

自然の状態を見ようとしない

変化を嫌う

温故知新を掲げながら古いものに留まろうとする

過去からしか学べないとしても答えを過去に求める

 

長く続けるのが良いこと、定住するのが当たり前

転々とするのは悪いこと

それを望んでいるかと言えばそうは見えない

あなたは嘘吐きだ

 

ここでは飽き性は悪いことだと言われる

それが不自然の現れかもしれない

飽き性は自然の姿

わたしは飽き性で構わない

 

 

 

自然を生きる

 

わたしさえいればいい、というのは都合がいい

他に何も要らない

わたしさえいればできてしまう

わたしが右手を出せば、それでいい、と肯定され

わたしが左足を出せば、それが正しい、と称賛される

わたしの中で浮かぶ思考や閃き

これまでの人生までもが仕事になる

 

自然を生きるというのはそういう生き方かもしれない

こんなにムダのないことがあるのか?

自然はもっとも合理的なシステム

土に触れることではなく、自然を生きるというのは

その言葉が持つ分離感とは違い、わたしに馴染んでいる

馴染む、という分離感さえもない

それはわたしなのだから

 

自らの意志で開拓し、文明を築き上げて来た

進んだ存在が遅れている訳がない

ところがどういう訳か遅れている

すべてが自然の子どもであり、自然であるのは疑いがない

すべてが神の子どもであり、神であるのは疑いがない

肉体を纏うと同時に纏ったそれも自然であり、神であるに違いない

それでもあまりにかけ離れている

 

わたしが纏ったそれに気づく時

自然が与えたわたしを生きるようになる

本心からの思いが道になり、悦びの感情が道を照らす

誠実に悦びを生きる時

わたしは世界に一つを生きている

わたしはようやくそこら辺の樹木になり、そこら辺の猫になる

自然界の一員になり、神の意思を生きる者になる

 

自然を生きるというのはそういう生き方かもしれない

わたしはただ自然が与えた本心を知り

自然が与えた悦びを生きる

わたしはただ進化するこの世界の流れに乗ろうとする

取り掛かろうとする

自分でやろうとするのではなく

自分を通して生かしているものがするようにする

 

 

 

寵児

 

在るものを見る人は質の高い仕事をする

在るものは例えば足元の虫で、頭上の星

在るものを見る人は実体を見る

実体が持つ不可解、不思議、奇跡を見る

 

在るものを見ない人は名前を見る

実体にはない名前、実体には及ばない情報

人間が与えた物語を実体として見る

そこに不可解はない、不思議はない、奇跡はない

 

在るものを見る人は在るものを見せるものが違う

肉体を纏うと同時に纏ったそれが

小さいか、あるいは薄い

そのために意識は繋がる、今に在る体と繋がる

 

今に意識がある人は在るものを見る

今に在るものと意識が繋がる

今に在るものとは例えば生命力の泉で、創造力の泉

人智を超えたこの世界の根源

 

在るものを見る人は質の高い仕事をする

今に在る創造力の泉と繋がり

この世界の創造力を受け取る

彼らはまさに天才になる

 

天才が神の寵児と言われるのはそのためだろう

在るものを見る人は質の高い仕事をする

幼い彼らが足元の虫や頭上の星に魅せられたのは

きっとそのために違いない

 

 

 

遠ざける

 

不要不急でも気持ちは先に先にある

(先、と言ってもそれはわたしの空想に過ぎないのだが)

他人ではなく、状況でもなく、わたしでもない

それでもわたし

わたしの中にいるものが「今ここから離れよ」と急がせる

 

取り掛かっていても散漫になる

現れる思考の流れ、感情のざわめき

空想世界にわたしは引き込まれる

意識は今を置き去りに

過去と未来、何処かと何処かを行き来する

 

他人ではなく、状況でもなく、わたしでもない

それでもわたし

わたしの中にいるものが遠ざけようとする

わたしの意識の焦点をわたしがいる、今ここから

遠ざけよう、遠ざけようとする

 

 

 

小さな過ち

 

意識は先に先に、それでも体は今ここに

意識の場所と体の場所が一致しなくても

それなりに成立するようにできている

それでも誤差が拡がれば不具合が生じるのか

 

わたしは小さな過ちを犯した、過ちとも呼べない小さな過ちを

意識が今ここになくても致命的なことにはならない

それでもスムーズには行かない

意識が今ここにないことを小さな過ちは教えてくれる

 

意識が今ここにある時、スムーズに行くのはなぜだろう?

小さな過ちが「今ここにあれ」と教えるのはなぜだろう?

今ここに何があるのか?

今の常識では測れない重大な秘密が隠れているのか?

 

 

 

元からいた場所

 

過去は過ぎたもの

未来は現れていないもの

ここではないどこかではない

今ここを生きている、すべてが今ここを

すべてが今ここから生まれ

すべてが今ここから始まり

すべてが今ここから拡がり、進化する

 

今ここは特別な場所

限界を知らないエネルギーの泉、生命力の泉、創造力の泉

あらゆるものの場所で根源

まるで神そのもの

わたしはずっと今ここにいた、体だけがそこに

意識は存在に依存しながら過去と未来に

今のわたしではない他の誰かに、ここではないどこかに

 

今ここは拠り所にならない、実在するものも事実も

エゴの仕組みに気づけば

意識は何億年振りにあるべき場所へ帰る

意識と体が繋がる

するとゆっくりと光が射し込む

厳重な扉が開いたのだ

わたしは初めて知る、扉の存在、エゴが鍵を掛けていたことを

 

閃きが何度も訪れた

できなかったことができた

知らなかったわたしがここにいる

それでもそれは元々持っていたもの

自然から貰った固有の部分が引き出されて、伸ばされた

元からいた場所

わたしの足元には創造の世界が広がっていたのだ

 

 

 

進化

 

空から海へ、海から陸へ

何世代にも渡る個体と環境の変化

頭でできることではなくても

細胞は知っている、あなたにはそれができると

名もない祖先のように

意図を越えた進化の時に来ている

 

ヒトの世はエゴの賜物

幻影と虚構の世界

エゴがなければ見ることはできない

必要性を越えた「べき」「ねばならない」

あるべき姿、人生のレール、幸せの形

普通、平均という物語

 

エゴがなければ見ることはできない

実体のない“みんな”

みんなが同じであるという不実

その不実がなければ比較も競争も

足並みを揃えることもできない

自分を殺すことなどできる訳がない

 

エゴがなければ見ることはできない

繋がりのない不実、幻

それがなければ孤独を感じることはできない

孤独感がなければ

落ち着きのなさがなければ

また物語に戻って来ることはできない

 

エゴがなければ見ることはできない

実在しない世界

今ここではないどこか

懸念という未来、後悔という過去

今のわたしではない他の誰か

理想像の中に生きることはできない

 

エゴがなければ見ることはできない

恐れを見ることも

分断を見ることも

繋がりのあるものを敵視することも

相手の影を育てることも

いかに奪ってやろうかとは思えない

 

エゴがなければ一様に眠りに着けない

実在の世界を離れ

意識の世界を築くことはできない

ヒトの世はエゴの賜物

それでもすでに歪んでいる

人類の夢は意図を越えているのかもしれない

 

わたしたちの細胞とわたしたちの思考は違う

生かすものの意志とわたしたちの意志は違う

有機物の大気か?水辺の草か?水際の魚か?

あの名もない祖先のように

意図を越えた進化の時に来ている

礎が替わる時に来ている

 

 

 

礎が替わる時

 

自分たちだけでやろうとしたのかもしれない

根源との繋がりを意識の上で断ってしまった

自我を礎にしてしまったのかもしれない

意識が繋がるだけで一体何が変わるのか?

存在を知る時、自我は力を失い始める

心の苦しみは小さくなり、意識は繋がり始める

 

わたしたちを産み

わたしたちを生かし、進化に向かわせるもの

命、自然、宇宙、世界と繋がり始める

意識が存在の場所に帰る時、新しい世界が訪れる

創造性の飛躍、閃きと導きの世界

あの世界のわたしたちが遂にこの世界と関わりを深める

 

自我を礎にしては自然が持つ別の側面も

世界の実体も、わたしたちの実体も知ることはできない

自我を礎にしては世界の創造力を受け取ることはできない

それでは築き上げたものは無駄だったのか?

根源との繋がりを礎にした時

既存の文明は昇華を始めることだろう

 

世界は待っている

わたしたちが自我を乗り越え、わたしたちの意識と繋がる時を

世界が与えたわたしたちに戻り、世界に一つを生きる時を

世界は待っている

多様で創造性豊かな世界になる、その時を

なぜならこの世界は創造力、進化そのものなのだから

 

 

 

無風

 

まるで無音

無風状態

世界がわたしを通して仕事をする時

わたしは静寂に包まれる

 

静寂、と言っても音はする

絶えず現れる思考の流れ、感情のざわめきが途切れる

事実、静寂にもなる

まるで死んでしまったかのように訪問者はパタリと途絶える

 

音信も気配もなくなる

あるいはわたしだけが死んでしまったかのように

あまりの静けさに少し戸惑う

それでも不安や疑いのない子どもの戸惑い

 

どうすればいいのか分からない

それでも何とかしてくれることは知っている

何が起きているのかだいたい分かっている

それでも何をすればいいのか分からない戸惑い

 

すべてを預けられる、これ以上ない大義名分がある

わたしの意志と世界の意志がひとつになるのだ

世界がわたしを通して仕事をする時

わたしは静寂に包まれる

 

 

 

たまゆら

 

見ている世界と見えている世界は違うのか

鏡に映らなくてもわたしからは見えている

わたしの眼から伸びるように現れて

視界の隅をゆらゆら流れて消えて行く

それはまるでこの世に存在する淡い蛍の光球

 

無心に取り組む時、疲れている時、ふっと力を抜いた時

やって来てくれる

わたしを労い、励ましてくれる

それはまるでこの世に存在する

擬人化されたあの天使のように

 

意識の変容が?光球の存在が

この世とは別のあの世を見せてくれる

あの世があるからこの世だったのだ

わたしは見えないところで励まされ、守られ

導かれてここまでやって来た

 

 

 

降りて来る

 

数値化し、正確さを狙い、セオリーに基づいて仕事を組み立てる

九分九厘完成した頃、最終判断は直感に任せる

残りの一厘は九分九厘と同じか、それよりも重い

 

「メロディーが降りて来るんだよね」

音楽家のその言葉はわたしの直感と似ている

熟考とは異なる一瞬の導き、一瞬のアイデア、一瞬の承認

 

危険を回避するあの気づきや思い出しはどこから来るのか?

それはどこかからやって来る

わたしの意図の届かぬところから

 

降りて来る

どこかからやって来たメッセージをわたしが受け取る

メッセージに従い、わたしは形の世界に形を与える

 

降りて来る

この言葉に重要な何かを感じる

わたしの直感がそう言っている

 

 

 

 

無我夢中で走った

「やっとありつける」そう思うと消えた

しばらくするとまた現れた

無我夢中で走った

今度は確かにその通り

それでも少しかじっただけでまた消えた

 

何かが可笑しい

わたしは気づき始めていた

そこに世界が現れてわたしに告げた

親の口調であなたのためだと

あなたが決めたことで

自分を知るためにあなたが仕組んだことだと

 

人参好きにしたのも、ぶら下げたのも、走らせたのも

わたしだと言うのか?

どこかで「人参をぶら下げる」を見せたのも

馬にしたのも、全部わたしだと言うのか?

馬鹿馬鹿しい、こんなのはならず者のやり方じゃないか

もう今までのようには行かない、走らない

 

しばらくするとまた現れた

今度は違う

「ぶら下げられて」から「ちらつかされて」に変わった

人参から鞭へ

無我夢中で走った、確かにわたしを知っている

知らなければ用意できない、人参も鞭も、何とも意地が悪い

 

わたしには分からない、神の物差しはわたしのものとは違う

尻を叩かれてわたしは走る

危険が遠のくとわたしはまた止まる

元来わたしはズボラなのだ

そうか!ズボラにしたのもわたしか

努力を学ぶために?我慢を知るために?

 

ズボラの反対にいるわたし、ありのままのわたしを知るために?

どこかで「愛の鞭」を見せたのも

「自分を知る」を見せたのも、全部わたしか?

確かにここは魂のためには打ってつけかもしれない

歯向ったところで仕方がない、囚われの身なのだから

わたしに分かる時が来るのだろうか?神の物差しが、魂の愛情が

 

 

 

魂について

 

分からない

それでも言葉にする

あたかも存在するかのように

有り難いものを扱うかのように振る舞う

 

フリをしているだけなのか?

心から信じているのか?

嘘吐きばかりなのか?

細胞のどこかで知っているのか?

 

歌手は魂について歌い

詩人は魂について語る

全く荒唐無稽なものなどこの世界には存在できない

宇宙は厳しいのだ

 

魂とは何だろう?

心のことか?精神のことか?

この世に生まれる前のわたし

あの世で今も生きているわたしのことか?

 

魂とは何だろう?

わたしを包むもの、意識のことか?

それらのすべて

わたし自身のことか?

 

 

 

命の重さ

 

誰の言葉だろう?命は地球よりも重い

理屈を越えて誰もがそのことを知っている

「かけがえのない命を大切にしなさい」

大人は子どもに命の尊さを教える

それでも自ら死を選ぶ人の多くは大人かもしれない

命とは何だろう?

偉大な学者でも、名医でも

答えるのは難しい

 

生まれて間もなく亡くなる命

天寿を全うしたと言われる命

不憫な人生だったと思われる命

幸福な人生だったと言われる命

生まれる前に亡くなる命

悪意がなく奪われる命

情けを掛けられない命

命はどれほど重いのか?

 

偉大な聖者の言葉のように

違った姿で生きているとすればどうだろう?

姿は変わっても終わりがないとすれば

人生のテーマを自分で決めていたとすれば

それぞれのテーマを生きるためにここにいて

仕事をやり遂げて最期を迎えるとすれば

常識や倫理観を越えて感じ、考え、発言するとすれば

命に長さや重さがなければ

 

 

 

視点  

 

諸行無常に例外があるのか?

宇宙のような無極の深淵

いつもの定位置にわたしはいる

それは主観と呼ばれるわたしの視点

 

永久の時

永遠の孤独

無限であり、すべてであるあなたは

寂しさの感情を持っていたに違いない

 

父の厳しさも、母の優しさも

兄弟姉妹を想う気持ちも、騒々しさも

友情も愛情も温もりも

何もない暗闇

 

いや、すべてがある暗闇

どれほど退屈だったことだろう?

天才のあなたは問いと答え

願いと願われるものを同時に持っているのだから

 

いよいよその時が来た

敢えて不自由な

終わりのある形を創り出す時が

やがて時は経ち、わたしが見ている世界を築いた

 

いつかこの体から降りる時が来る

それでも古い恐怖心とは違う

今回が終わってもまたあの暗闇に帰るのだから

いつもの定位置にわたしはいるのだから

 

ささげもの4

1事実 2瞬き 3悲劇 4傾向 5トーン 6感染

7声 8内なる子ども 9性格 10見ているわたし 

11存在としてのわたし12当惑 13健忘 14自然の姿 

15確か 16微かなもの17抵抗感 18間違えるのは 

19逆算 20テーマ 21白紙22スランプ 23やればやるほど 

24守り手 25ポータル26利用 27待ち人 28タイムラグ 

29なんにもない 30予定31揺り籠 32全知全能 

33ワタシは蛙 ワタシはカマキリ34気楽さ 35浮上 36涙 

37エネルギー 38勇気 39展開 40常識 41超人 42別れ 

43エンドロール 44無極世界45所有 46唯識論 47原点回帰

 

 

 

 

 

 

事実

 

苦手意識よりも事実

手応えよりも事実

越えて来た事実

 

スムーズに行ったかどうかよりも

思い通りにできたかどうかよりも

事実、越えて来た事実

 

振り返るのもいいものかもしれない

事実がわたしに自信をくれる

思考と感覚に囚われたわたしを事実が解放してくれる

 

本能から来るものだろうか?

事実には説得力がある

わたしを納得させるだけの力がある

 

 

 

瞬き

 

わたしは光の瞬き

何も残せない

それでも何かを得ようとする

何者かになろうとする

 

わたしは光の瞬き

何も残せない

それでも追いかける

ここにはないものを

 

永遠のわたしが心待ちにしたもの

それがこの一瞬の光

それでもわたしには見えない

隣に居る人、庭のバラ、天球の星々

 

子どもの笑い声

風の出処、行方

ゆらめく感情

古い歴史が作り上げた体、意識の世界

 

生まれて来たかった命を

押し退けてここへ来たにもかかわらず

ここにあるものが見えない

わたしはここにいない

 

 

 

悲劇

 

白があってはいけない、黒一色でなければならない

黒一色に染めたがるわたしは言った

「何もかもがダメ、全然違う、最低最悪だ」と

 

黒一色に染めたがるわたしは嘘吐きで

事実を飛躍させる

白があるにもかかわらず相手にしない

 

問題はこの嘘吐きを容認するわたしもいるということ

容認だけでは済まない

嘘吐きと同調し、同調が進めば同化する

 

あるものを見ない

受けている恵みを認めない

大袈裟に深刻になろうとする

 

黒一色に染めたがるわたしはわたしで

わたしとも違う

わたしは黒一色に染めたがるわたしを見ているわたし

 

どちらにもなれる

同調して悲劇のヒロインにもなれる

離れて見ている見物人にもなれる

 

 

 

傾向

 

傾向の話もたまにはいいものです

それでも事実に忠実に

起きたことで話をしてはどうでしょう?

その態度は自我の好きにはさせません

 

かつては隣近所で助け合ったものだ

昔は弱い者をかばったものだ

男の人というのは

女の人というのは

 

近頃の若者は

何々世代の人間は

どこそこの国の人は、何々人というのは

昔は、この頃は

 

そこでしているのは飛躍です

事実の飛躍です

具体的な事柄で起きたことで話をしてはどうでしょう?

そうすれば飛躍はしません

 

自我は飛躍が好きなようです

事実の飛躍はもはや不実です

それでも夢中です

大の大人が気づきません

 

虚構と幻影を見ているようです

事実ではないことを事実のように

実在しないものを実在するように

わたしたちの中にその傾向があります

 

 

 

トーン

 

だからで始まる

それは強い「だから」

始まりに「だから」は可笑しい

それとも始まっていたのかもしれない

 

コンピューターの声を聞く度

わたしは無意識にトーンの重要性を認識する

言葉の意味だけではない

わたしはトーンから意味を受け取る

 

抑揚がないのは冷たい

抑揚がないのは不自然

調子が強いのは不愉快

調子が強いのも不自然

 

穏やかなトーンは気にならない

それは自然だからかもしれない

だからで始まるのはなぜだろう?

調子が強いのはなぜだろう?

 

有り余った力のせいとは思えない

それはムキになる時の調子

神経質で自己防衛的な臆病なトーン

何かの声にも聞こえる

 

何よりもそのトーンにわたしが反応している

わたしの中の同じものが

言葉の意味を抜き取った

そのトーンにざわめき始めている

 

わたしの中で拡がり始めている

同じ色に染まり始めている

攻勢を強めている

わたしは奪われて行く

 

 

 

感染

 

恫喝する声

それは今起きているかどうかも分からない

テレビから聞こえる音

それでもざわめき始めている

それがわたしに向けられたものではなくても

 

暴走するバイクの騒音

わたしと距離があっても反応する

感度のいいセンサーのように

姿のない誰かの怒りを受け取り、同調する

わたしはイライラしている

 

本当に優れている

同じ騒音でもそれがどこから来るものなのか

瞬時のうちに識別する

怒りは他者の怒りを誘う

自我は他者の自我を刺激し、同調させて互いに太る

 

こんなことも知っている

こんなこともできる

どうだ、凄いだろう?

見てくれ

認めてくれ

 

自我は伝わる

そこに姿はなくても、明確な言葉がなくても

行間から、トーンから伝わる

相手の自我を刺激し、同調させる

寄主は何も知らない

それは無意識の下でなされる

 

 

 

 

ブツブツ言う

語気を強める

心配だ、大変だ、敵わない

気をつけないと

 

「べき」「ねばならない」が口癖

自分の話をする

べらべらする

それでも喜ばせることも、元気づけることもできない

 

声に出なくても喋る

頭の中で四六時中

他人に話すことと同じ

自分を喜ばせることができない

 

何を話しているのか分からなくても

壁越しでも、トーンだけでも不愉快にさせる

怒り、悲しみ、恐れ、後悔

負の感情からの言葉

 

色んな声で喋る

それでも子どもの笑い声が出ない

「くくく」と冷笑する

それは自我の声

 

子どもの笑い声を上げることがある

基本的に穏やかで、寡黙で存在感がない

それでも存在そのもの

それは存在としてのわたしの声

 

 

 

内なる子ども

 

できるだけゆっくりと、できるだけじっくりと

失敗しても相手にしない

予定が変わっても気にしない

思い通りでなくても知らない

焦り始めた時

イライラし始めた時

ぐらつき始めた時ほど

 

できるだけゆっくりと、できるだけじっくりと

容易く乗らない

じらすくらいで構わない

離れたところから見る

騒ぎ立てる子どもを見る親の視線で

子どもと接するのと似ている

自我を相手にするにはそのくらいの愛情が要る

 

 

 

性格

 

言葉はそれを指す仮のものなのだから

「性格」と表現しても構わない

それでもすでに適当な言葉がある

人目につかないところを好む「自我」という言葉が

 

「年と共に性格が悪くなる、自分の性格が嫌になる」

あなたは嘆いていた

それでもあなたはすでに見ている

離れた所から嫌なあなたを見ている

 

あなたに必要なことは強い自覚かもしれない

嫌な性格を持ったあなたとそれを見ているあなたは別物で

自我に同調したあなたとそれを見ているあなたは別物だと

強い自覚が同調に終わりを告げる

 

あなたを不幸にするものとあなたを切り離す

もうそこまで来ている

あなたはまだ気づいていなくても

自我は怯え始めている

 

 

 

見ているわたし

 

わたしの後ろにわたしがいるのだ

イライラするわたしの後ろに

クヨクヨするわたしの後ろに

思案するわたしの後ろに

疑っているわたしの後ろに

わたしを見ているわたしがいるのだ

 

人類に限らず世界は進化して来た

今の人は先人よりも進んでいるのだろうか?

わたしは少しばかり進んでいるのかもしれない

我思う故に我あり

と言ったあの先人よりも

わたしたちはやはり進んでいるのだろうか?

 

 

 

存在としてのわたし

 

怒っている

悲しんでいる

恐れている

このわたしは何か?

 

怒っているわたしを見ている

悲しんでいるわたしを見ている

恐れているわたしを見ている

見ているわたしがいる

 

怒ろうが、悲しもうが、恐れようが

「それがどうした?」とでも言うように

それでも虚勢を張るのではなく、ただそこに佇む

存在としてのわたしがいる

 

怒りではない、悲しみではない、恐れでもない

負の感情があろうとなかろうと

わたしは存在している

わたしは存在としてのわたしに過ぎない

 

 

 

当惑

 

ある目的で旅に出ました

旅すがら色んな人に出会いました

お世話になったお礼に困りごとに応えたり

意気投合して旅に加わる仲間ができたり

諍いに巻き込まれて喧嘩をしたり

旅はさながら冒険のようでした

 

最も衝撃的だったのは

ある日、世界がわたしに近づいて来て

啓示を与えてくれたことです

わたしが生きて来たこの世の外側に

この世ではないあの世が出現したのです

わたしは知ってしまいました

わたしはプレーヤーではなく

ゲームの登場人物だったのかもしれません

自分の意志で生きて来た、それはつもりだったのです

 

生きていたのはわたしではなく細胞だったのです

わたしが人生を切り拓いたのではなく

わたしの前に出来事が現れたのです

わたしが眠っている間も細胞は生きて、地球は生きて

太陽は生きて、世界は進んで来たのです

わたしがいくら「太陽と共に暮らす」と言っても

太陽も地球も細胞も、休むことを知らずに働くのです

わたしではなく

わたしを生かすものがわたしを生きていました

 

あの世とこの世の関係性で言えば

プレーヤーはあの世のわたしで

この世のわたしはゲームの登場人物だったのかもしれません

わたしは騙されたような気持ちになって寂しくなりました

混乱しながらも少しだけ冷静になれたのは

どこかでこのことを聞いて知っていたからです

 

これが目を覚ますことかもしれません

先人の多くはここまで来られなかったのでしょう

わたしはまだ生きています、わたしの旅は途中です

それでも霧のように消えてしまいました

当初の目的、わたしの人生、わたし自身

わたしはこれからどうすればいいのでしょう?

 

 

 

健忘

 

忘れる

「これは敵わない」と言っていたことを

「これは問題だ」と言っていたことを

「大丈夫かな」と思っていたことを

何に恐れていたのかさえも

 

忘れる

最初からうまく行かないことを

思い通りではなくても、手応えがなくても越えて来たことを

終わらなかったことは一度もなかったことを

生まれる前も、生まれてからも大丈夫だったことを

 

忘れる

笑い合ったことを

愛情をくれたことを

尽くしてくれたことを

些細な言葉で無きものにする

 

忘れる

本心の力も

本心と現実の関係性も

悦びの力も

何をしにここに来たのかさえも

 

忘れる

思考の力も

信じる力も

わたしと世界の関係性も

自分の正体さえも

 

 

 

自然の姿

 

わたしの前に道はない、やり方もない

だからと言って不安になることもない

備わっている、世界に一つの属性が

わたしが世界に一つを生きる時

もっとも力強く、もっとも創造的に、もっとも自然になれる

なぜなら自然がわたしを世界に一つにしたのだから

わたしが世界に一つを生きる時

空気のように、水のように自然に溶け込む

なぜならそれが自然の姿なのだから

 

自然に抵抗するのは誰なのか?

自分を知らないわたしの意図、思い通りにしたがるわたし

他の誰かになりたがるわたし

誰かよりも優秀であろうとするわたし

あるべき姿、幸せの形、「みんな」を見るわたし

違いが見えないわたし

世界に一つ、その事実が見えないわたし

自然の姿からかけ離れたわたし

自我になったわたし

 

 

 

確か

 

どこかに向かっている

確かなどこかに

本心のわたしに向かっている

それだけは確かに知っている

 

それでも本心のわたしを知らない

今のわたしはいつも分からない

それでも確かに知っている

本心のわたしに向かっている

 

歯を磨いている今も、火星を見上げている今も

確かな道を歩いている

確かな道とは今、歯を磨いていることで

今、火星を見上げていること

 

自分を知らないわたしの意図

わたしのもどかしさ、わたしの行き詰まり

それとは無関係に、それさえも確かな道として

わたしはどこかへ向かう

 

本心のわたしに

ありのままのわたしに

世界がくれたわたしに

魂のようなわたしに

 

 

 

微かなもの

 

重大なものは微かなもの

例えば懐かしい感覚

深層に漂っているメロディとシーン

わたしの中心にある言葉

悪くない心地の良さ

それは核心のわたし、ありのままのわたし

 

重大なものは微かなもの

例えば違和感、抵抗感

それらの感覚は壁になる

わたしは弾かれてあるべき場所へ戻る

あるべき場所とは自然が与えたわたし

核心のわたし、ありのままのわたし

 

重大なものは微かなもの

例えば直感

その衝撃は熟考を越える

発想、主義を越え、既存のものを越え

わたしを越える

異世界からのメッセージ、魂の導き

 

重大なものは微かなもの

例えば気づき、幻想からの目覚め

事実は何ものよりも強い

事実へのわたしの信仰心は揺るがない

それは遺伝子の記録から来るものだろうか?

不実への気づきにわたしは変容する

 

 

 

抵抗感

 

認めることは今のわたしを譲ること

臆病なわたしは少しも譲ることができない

それは自己愛から来るものかもしれない

それでもわたしの本心は別のところにある

 

教わることができない

世話になれない

素直になれない

他人の意見は受け入れられない

 

肩書きのない人

若い人

わたしの娘、わたしの息子

わたしが認めていない人の意見は尚更

 

認められないのは誰か?

わたしに違いない

それでもわたしでもない

認めたところでわたしは減らない

 

抵抗感を余所に認めればわたしの学びは増える

可能性は拡がる

わたしは大きくなり

抵抗を感じる者は小さくなる

 

自我は抵抗しても本心は受け入れる

魂は歓迎する

わたしはこの世界と同じ

進化そのものなのだから

 

 

 

間違えるのは

 

必要なものが揃っている

不便を感じても暮らして来たのだから

ここは天体、わたしは細胞

わたしを生きる上で必要なものが揃っている

 

あれがない、足りない、気に入らない

思い通りにならない

それを言うのはわたしの思考、感覚、負の感情

自我になったわたし

 

自然は間違えない

世界は間違えない

間違えるのはわたしの思考、感覚、負の感情

自我になったわたし

 

世界は間違えない

細胞は間違えない

だから生きている

進化している

 

気づくかどうかそれだけかもしれない

必要なものが揃っている

ここは天体、わたしは細胞

今回を生きる上で必要なものが

 

 

 

逆算

 

この顔でこの体でこの心で

何がしたかったのか?

わたしに相応しい人生のテーマは何だったのか?

 

わたしにしたのは誰か?

わたしではない、親でもない

わたしにしたのは自然であり、世界かもしれない

 

わたしにしたものは、生かすものは

この顔でこの体でこの心で

わたしに何をさせたかったのか?

 

わたしに相応しい人生は何か?

逆算する方がよっぽど自然かもしれない

わたしの意図することよりも

 

 

 

テーマ

 

わたしの中心に言葉がある

常にわたしの中心にあって

わたしにさえも分かりにくいもの

わたしの人生のテーマ

 

子どもの頃から知っていた

「べき」「ねばならない」はないということを

それが意味するところは絶対的価値と意味の不存在

虚しさのない自由かもしれない

 

愛情だろうか?

友情だろうか?

勇気だろうか?

自由だろうか?

 

笑うこと、真剣であること

繊細さ、大らかさ

それらを獲得し、思い出し、表現すること

心の力を知ること、自分を知ること

 

幼い頃から知っている

ありのままのわたしを

今生で何を表現したかったのか

大切なことは子どものわたしに聞けばいい

 

歳を取るにつれて

教育を受けるにつれて

経験を重ねるにつれて

ありのままから遠ざかって来た

 

外側にはない

テーマも、ありのままのわたしも

内側

向かう方向は元いた場所

 

 

 

白紙

 

取り去ることを知らずに

一部になるまで刷り込んで

後からそれを取り去る

身に付けておいてすべてを剥ぎ取る

 

創造と解体は自然の姿でも

負の感情と思考には途方もない

わたしは言った

「できる訳がない」

 

それでも進むためにはせざるを得ない

お金の価値、幸せの形

比較、あるべき姿

少しの拘りも未練も消さなければならない

 

それができなければ

ここに来た価値がない

ありのままのわたしにはなれない

魂さえも望んだ目的は果たされない

 

負の感情と思考は言う

とんでもない後戻り

進んでおいて戻るなんて耐えられない

今までの人生は何だったのか?

 

負の感情と思考は知らない

後戻りがないこと

やり直しがないこと

進化を続けること

 

わたしの存在はそれを知っていても

わたしは知らない

「できる訳がない」と言って来たこと

それを越えて来たこと

 

 

 

スランプ

 

うずくまったままだった

わたしの前に立ちはだかる

重く伸し掛かる

振り返ればやればよかったのだ

 

これをするにはあれくらいかかる

厄介なことになる

わたしにはできない

できそうにない

 

当てにならない

わたしの判断、わたしの恐れ、気の重さ

現実はそれを越えて来る

最大限に尽くせばよかったのだ

 

世界中の人々が今日も仕事に向かう

初めての仕事、一番難しい類の仕事

程度に違いはあっても誰もが同じ

今日が進化するこの世界の一番先端なのだから

 

望んだ仕事をする人もいれば、望まない仕事をする人もいる

いずれにしても仕事は難しい

誰もがベストを尽くす

最大限に尽くす時に終わりに向かう

 

世界中の人々が証明している

家を出て仕事に向かった多くの人々が

一番難しい仕事にもかかわらず今日も帰る

いつまで経っても帰らない人をわたしは知らない

 

 

 

やればやるほど

 

やればやるほど下手になっても構わない

やってもやっても変わらなくても構わない

やればやるほど上手くなる

 

「失敗した」と思っても新しい経験にする

「八方塞がりだ」と思っても過ぎ去る

「方向転換した」と思っても進む

わたしは前進する

 

やればやるほど下手になっても構わない

やってもやっても変わらなくても構わない

やればやるほど上手くなる

 

これはわたしの特殊能力か?

この世界の自然傾向か?

それでもわたしは浅はかで

この特殊能力を相手にしない

 

「まだ進まないのか?」と苛立つ

形になって来ないと焦る

思い通りでなければ嫌気が差す

怠惰になる、諦める

 

前に進むはずのものはそこで止まった

わたしは調和しない

わたしはわたしと

わたしはこの世界と

 

 

 

守り手

 

ここを通る度にわたしは一羽のカラスを探す

街路灯に留ったカラスは獲物を狙う訳でもなく

辺りをじっと見ているのだ

今日はひどい雨

まさかいる訳はないだろうと思いながら少し期待した

するとそこにいた

 

横殴りの風も、叩きつける冷たい雨も

カラスには存在しない

まるで無造作に捨てられた傘

晒された黒い塊

何かを待つように、監視するように

じっとしている

 

修行僧のようなあの厳しい姿に

わたしは敬意を表さずにはいられない

理解できないだけで、感じられないだけで

未知の世界があっても可笑しくない

カラスは仕事をしている

わたしの知らないこの世界の守り手

わたしにはそう見える

 

 

 

ポータル

 

わたしにはこの世界が一つですべてだった

この世界ではない世界をあの世界と呼んだ

それだけのことだったのかもしれない

片田舎の小さな書店が

わたしにとってのこの一冊が

あの世界へのポータルとは思いもしなかった

 

世界のユーモアは大胆なところにある

捉えようによれば門戸は誰にでも開放するということかもしれない

それでもあまりに堂々と口を開けるその姿に

二ヤリとせずにはいられなかった

わたしの可笑しさを余所に人々は通り過ぎて行く

わたしは世界の気持ちが少し分かって我に返った

 

ポータルは形であり、意識とも言える

形のポータルはどこにでもある

大自然の中であっても、大都会の中であっても

ある人にとってはインターネットの中かもしれない

形はそこら辺にあってハードルは低い

それでも意識の準備がない人には高い

常識の信者にはそびえ立つ壁

 

世界は壁を築く

例えば悟りという言葉で、宇宙という言葉で

神という言葉で、非科学的なもので

そびえ立つように見えても薄い

常識を越えた微かな心の共鳴があればあの世界と繋がる

それでも人々は通り過ぎて行く

世界は意識のポータルを越えた者しか受け入れない

 

 

 

利用

 

365日年中無休、24時間営業中

リーズナブルな価格帯

アクセスも抜群

経験豊かな指導者が常駐

バラエティーに富んでいて

レベルもお好みで無段階調整可能

 

ここは成長に適した環境

わたしの好奇心、欲求を満たしてくれる

いつどんなものへ乗り換えても構わない

一生かかっても制覇などできない

万が一しそうになれば

無限に湧き上がる創造の泉、今ここからまた世界は拡がる

 

張り合おうとしない

ましてや一番になろうなどとは冗談でもやってはいけない

わたしが持っている神の世界

その優れた住人と張り合っても仕方がない

張り合うためではない

彼らは神の使い、あるいは八百万の神、一時的なわたしの指導者

 

新しい世界で上手くやるには比べない

それはわたしに仕掛けられた罠

残滓でもしぶとい

わたしを以前の世界に戻そうとする

上手くやる秘訣は有り難く受け取り、遠慮なく利用すること

これはわたしに与えられた恵みなのだから

 

 

 

待ち人

 

無いものは在るのか?

想像できるとしたら無くても在るのか?

無いものは在るのか?

想像できるとしたら無いものは在るものになるのか?

 

無いものが在るものになる

その確証がない中で

無いものが在るものになるまで待つ

というのはとても根気がいる

 

いつまで生きられるか分からない

次の瞬間にはいないかもしれない

その実態の中で待つ、というのはとても勇気がいる

あるいは実態を知らないからこそできるのかもしれない

 

時間ができたら、お金ができたら

仕事が片付いたら

実力が付いたら、自信が付いたら

目処が立ったら

 

無いものが想像通りの在るものになる

わたしはその時を待っている

その時が来てからやろうとする

いつ訪れるかも分からないその時をわたしは待っている

 

 

 

タイムラグ

 

この瞬間に変わる、この瞬間から変わる

歳を取り過ぎた、やり直すには遅すぎる

そんな人生であっても

 

今、それは過去のわたしの創造物

過去のわたしの信念、感情、思い、行動の結果

奇妙に聞こえたとしても今は過去

 

今が気に入らなくてもそれは過去

人生を変えたければ今と闘わない

怒りと悲しみが未来の今になるのだから

 

この瞬間に変わる、この瞬間から変わる

人生を変えたければこの瞬間に悦ぶ

それが未来の今になるのだから

 

「何もない」と思えても何かある

黒一色に染めたがる自我を余所に

事実をありのままに見る

 

小さなことでも受け入れる

自我の抵抗を余所に恵みを認める

そこに悦びが生まれる

 

人生を変えたければこの瞬間に悦ぶ、本心から

心が変われば、今変われば

未来の今は変わるのだから

 

 

 

なんにもない

 

意識はないものにある

意識はあるものにない

ないものがあるものになる時

わたしの意識から消えて行く

 

「どうかお願いです」

神にすがったわたしが事なきを得る時

八方塞がりの事態も終わりの見えない感情も

霧のように消えて行く

 

消えてしまった余韻に浸ることもなく

神にすがったことも

唐突に掬われたことも

あっけなく消えて行く

 

すでにわたしは新しい世界を生きている

新しいないものを見ようとしている

わたしの強かさと適応の早さに

神といえども呆れているに違いない

 

意識がなければあるものは見えない

あるものが見えなければ感謝できない

だからわたしは不満を言うのか?

たくさんあるにもかかわらず、「なんにもない」と

 

 

 

予定

 

予定の変更を嫌う

予定が変わることを悪いことだと信じている

予定の変更で現れたものよりも

予定という現れていないものを大切にする

 

予定が変わったからこそ現れたのだと

思い通りではなかったからこそ、この現実世界に誕生したのだと

わたしは決して考えない

これはわたしの盲点なのだろう

 

わたしに必要なことは現れているものをただ知ること

現れるというのはそれが何であれ

この宇宙に生まれ、実在することであり

厳かなことなのだから

 

現れていないものから現れたものへ

思考から実在するものへ

思い通りから結果として現れている現実へ

そのコペルニクス的転回がわたしを気楽な生き物にする

 

 

 

揺り籠

 

誕生さえも難しい

それでもわたしは産まれる

わたしの思いを越えて

維持さえも難しい

それでもわたしは成長する

わたしの思いを越えて

 

宇宙がわたしの場所となる

世界がわたしを産み落とす

地球がわたしを繋いでいる

自然がわたしを育てている

命がわたしを生きている

現実がわたしを守っている

 

わたしの思いを越えてすべてがなされる

言葉のない優しさ、愛情、豊かさ

それはあまりにも自然なもの

だからわたしは言う、「現実は厳しい、思い通りにならない」と

親と子の関係に似ている

何も知らずにわたしはただ籠に揺られる

 

 

 

全知全能

 

太陽は馴染みがある

それでも詳しいことは分からない

お隣の火星でさえも分からない

わたしは狭い世界に生きている

 

「狭い」と言っても

理解と知覚の幅が狭いだけで

存在としてのわたしは広大な世界に生きている

わたしの理解と知覚の届かない広大な宇宙に

 

わたしの体は、わたしの存在は

人智を超えた宇宙の仕組みを知っている

科学では解明されていない未知の現象も法則も

何もかも完璧に

 

知っているだけではなく、宇宙の仕組みとひとつになる

わたしの体は、わたしの存在は

この宇宙のことすべてを知っている

だからわたしは生きている

 

 

 

ワタシ蛙 ワタシはカマキリ

 

蛙は知らない

井戸の中だけが蛙の世界

外側があるために井戸があることを知らない

蛙には井戸がすべて

 

蛙は分断された世界に生きている

それでもそれは幻想に過ぎない

分断されているのは蛙の意識

現実は繋がりの世界に生きている

 

理解できることだけで、知覚できることだけで

それだけで世界は成り立つのか?

わたしは身近なことに深刻になる

あたかも深刻さがわたしを守るかのように深刻さを持って身構える

 

それでも理解と知覚を越えた外側には無防備で、意識にも上らない

わたしは一体何をしているのだろう?

まるで蟷螂の斧

身構えたところでどうにもならない

 

わたしは知らない

外側の世界があるためにこの世界があることを

繋がりの世界に生きていることを

得体の知れないものに生かされていることを

 

厳密に言えば知らないのはわたしの意識

自己意識を越えたわたしの自我

自我になったわたし

わたしの存在はすべて知っている

 

 

 

気楽さ

 

繋がりに生きていることを知れば気楽さが出て来る

人智を越えた繋がりに生きていることを知れば気楽さが出て来る

人智を越えて生きていることを知れば気楽さが出て来る

 

起きる思考と負の感情に生きれば深刻になる

持っている知識だけで理解すれば深刻になる

持っている知識だけで生きていると思えば深刻になる

 

人智を越えた繋がりに生きている

人智を越えて生きている

存在としてのわたしに生きれば気楽さが出て来る

 

 

 

浮上

 

ジェットコースターに乗った子どものわたしは

ギュッと握り締めて力を入れた

野球少年のわたしはぐっと歯を食いしばること

それを精神的な強さと誤解した

 

力を入れようとする

力を入れてうまくやろうとする

わたしには簡単で馴染みがあっても

それでは溺れまいともがいている

 

大切なことは意識の裏側

力を抜くこと

拘らないこと

気楽にすること

 

その重大さは意図的な継続によって初めて認識される

何千年もの間知られることのなかった

世紀の大発見になる

現実が変化する

 

力を抜くこと、拘らないこと、気楽にすることが

わたしの状態が世界を作る

わたしの中で革命が起きる

自分が何者かを知る時が来るのだ

 

 

 

 

自我はとても臆病で

「認めることで無くなってしまう」と思っている

自我になったわたしは認められない

今のわたしではないものを受け入れることができない

 

安心感を与えて大人しくなってもらうか

いっそのこと置き去りにするか

いずれにしても現実的ではない

目障りなところがあっても自我はわたしの子ども

 

唯一抵抗できないものがある

わたしが本心から認める時、涙が流れる

親の涙に気まずくなる子ども

自我は何もできない

 

わたしが間違いに気づき、「そうだ」と認める

本心からの同意

本心からの承認

本心からの懺悔

 

微かな抵抗も僅かな嘘もない

すべてを捧げるもの

わたしが本心から認める時、涙が流れる

わたしが涙を流す時、わたしが変わる、世界が変わる

 

 

 

エネルギー

 

わたしは反応した

音楽のムードに反応した

音楽のムードに同調した

音楽はエネルギー

わたしもエネルギー

 

わたしは反応した

音楽のエネルギーに反応した

音楽のエネルギーに同調した

音楽がわたしを変えた

音楽が変わればわたしも変わった

 

世界は反応した

わたしのムードに反応した

わたしのムードに同調した

わたしはエネルギー

世界もエネルギー

 

世界は反応した

わたしのエネルギーに反応した

わたしのエネルギーに同調した

わたしが世界を変えた

わたしが変われば世界も変わった

 

 

 

勇気

 

何がいいかは知っている

先まで分からなくても浮かぶものがある

そこに思案がやって来てわたしは迷いに入る

それを振り切るには思い切りが要る

行動に移す瞬発力、少しの勇気が

 

ここぞという時にこの瞬発力を発揮する

恥を忍んで何かをする時

ぐっと耐えて突き進む時

覚悟を決めて飛び込む時

わたしは勇気を学ぶ

 

学ばなくても知っている

行動しなくても想像がつく

それでも行動しなければ学んだことにはならない

わたしを見ているものは認めない

次の扉は開かない

 

 

 

展開

 

止まっていた歯車が動き出す

すると他の歯車も連動する

わたしが動くと世界が展開する

手を付ける、歩み始める、言葉で伝える

思いを行動に移す時、人生は展開する

わたしだけではなく、世界も動き出す

 

わたしが鈍い、というよりも

展開はあまりにも高度で滑らか

仕組みも方法も

運ばれている事実さえもわたしは知らない

それでも確かに知っている

行き着く先は本心から望んだ場所

 

最大限に尽くす時、終わりに向かう

困難に思えても今のわたしで乗り越える

この世は本心から望んだわたしになれる世界

わたしの仕事はここで最大限に尽くすこと

「人事を尽くして天命を待つ」と言う

展開は世界の仕事

 

 

 

常識

 

教科書を疑え

常識に囚われるな

偉人たちは出し惜しみをせずに教えてくれる

それでも耳を貸さない

ありふれた言葉に込められた想い

シリアスなメッセージを受け取ることができない

 

すでにあるものを習得しようとする

すでにあるものは間違いないと信じている

絶対ではないものを絶対視する

本来でも何でもないものを「本来は」と言う

そうではないものをそう見る、不実を事実として見る

わたしは常識を越えられない

 

かつて偉人たちは常識を守り、熱心な常識人だった

それでも求めたものは得られなかった

そこから良識を使って疑い、やがて心の中で捨てた

常識とは何か?

全くダメでもなければよくもない

質の高い仕事をするための、越えるための印なのか?

 

 

 

超人

 

誰もが内側にいた

内側という意識はなかった

大半はうまくやろうとした

すでにあるものを習おうとした

 

一番になろうとした、優秀であろうとした

普通であろうとした

他の人たちは抵抗した

批判した、反逆した、諦めた

 

風変わりな人がいた

習っても創り出そうとしていた

自分の中から導き出そうとしていた

知らない間に世界に一つを生きていて、外側を知りつつあった

 

創造性の発端、閃きの出所に意識を這わせていた

この世界とあの世界

超人は世界を股にかけた

意識が繋がったのだ

 

意識的に全体の参加者にもなった

世界の子どもとして全体が歓ぶ仕事をした

世界が味方をしてくれる仕事

世界と一つになって創造的な仕事をした

 

 

 

別れ

 

抗うことができるのか?

一方的なものがあるのか?

別れを告げる、告げられる

まるで加害者と被害者

 

別れたいとは思わなかった

身に覚えがなく別れを告げられた

それは表層から来るものかもしれない

僅かな嘘と微かな心当たりにわたしは気づいている

 

別れ

それは自覚を越えたあなたとわたしの同意

意図を越えたあなたとわたしの共同作業

 

 

本心に嘘はつけない

誤魔化しも遠慮もできない

同情や常識も通用しない

本心は融通が利かない

 

そのせいで誰かを傷つけたように見える

一部分だけを切り取れば確かに見える

それでも全体として見れば加害者も被害者もいない

それぞれが本心の自分に収まろうとしている

 

別れ

それは自覚を越えたあなたとわたしの同意

意図を越えたあなたとわたしの共同作業

 

 

 

エンドロール

 

選択肢が並んでいる

偶然性という可能性の選択肢が

それを選び取るわたしの自由意志

選び取る瞬間、偶然が必然になる

わたしは一本の道を行く

決めて来た、人生のテーマを生きる

 

あなたとわたし

テーマの違うふたつの人生が出逢う

互いに必要な時に、丁度いい時に

わたしはあなたから受け取り

あなたはわたしから受け取る

必要がなくなれば互いに離れる

 

今もわたしは一本の道を行く

今も誰かに出逢う

わたしはあなたから何を得たのだろう?

あなたはわたしから何を得たのだろう?

今のわたしには分からない

掴んだと思っても覆される

 

振り返った時に過去の点と点が繋がる

無関係のはずの点と点が線になり

わたしはそこに隠された意味を見出す

事実は小説よりも奇なり

人生は映画よりも奇なりか?

エンドロールが流れる頃、わたしは何を知るのだろう?

 

 

 

無極世界

 

現れる

現したのではなく、現れる

考えも感情も出来事も

現れたものがきっかけとなり

わたしの人生は展開する

 

心の袋小路は何度も現れた

わたしはその度に忘れた

存在としての袋小路がこの世界にあるのか?

八方塞だと思っても何かが現れる

だからわたしはここまで来たのだ

 

人類の歴史を超えて世界は進んで来た

人類の理解を超えて世界は今も拡がる

わたしは知っていても

存在は果てを知らず

わたしの世界は拡がる

 

考えが現れない

感情が現れない

何も起こらない

どこへも行けない

行き着いた先に何もない世界があるのか?

 

 

 

所有

 

「わたしの家は地球です、だから家を持つ必要がありません」

それはあるホームレスの言葉でした

確かにその通りかもしれません

それでもわたしには強がりか、ただの屁理屈です

 

お金がない、車がない、家がない、休みがない

家族がない、恋人がない、友達がない、将来がない

それを言うのは小さなわたしです

わたしには巨きなわたしもいます

 

お金がない、車がない、家がない、休みがない

家族がない、恋人がない、友達がない、将来がない

それでもわたしがいます

どこへ行ってもわたしがいます

 

わたしには意識があります

意識の世界があります

それは巨きなわたしです

そこにすべてがあります

 

 

 

唯識論

 

どうやって

どのように

どれほど

それはわたしの思い癖かもしれない

なるものではなく

あるものというのがあるのかもしれない

 

宇宙は拡がる

世界は拡がる

意識の中で拡がる

意識は生きている

意識は創造する

意識を中心にわたしから拡がる

 

意識という創造主

意識という神

完璧という言葉は意識の言葉

意識はどこにあるのだろう?

脳細胞の中にあるのだろうか?

脳細胞の外にあるのだろうか?

 

細胞は原子からできている

原子は何からできているのだろう?

意識だろうか?

意識とは何だろう?

例外のない外側のない

文字通りのすべてか?

 

 

 

原点回帰

 

わたしたちの物語の言語

それが言葉

その意味で “帰る”というのは物語の言語に過ぎない

宇宙が進化するように多分実体に“帰る”というものはない

 

それでもわたしは原点に帰ろうとしているのかもしれない

元いた場所に、元々持っていたものに

実際に帰るのではなく

わたしは意識の上で帰る

 

生まれながらの属性

この世に一つのわたしに

創造性、進化としてのわたしに

光と愛情、良心からのわたしに

 

生まれつきの能力

思考の力に

信じる力、悦びの力

本心の力に

 

元からいた場所

今ここという場所に

自然に、宇宙に、世界に

肉体のわたしが忘れてしまったわたしに